ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

2017-07-27

もじこ塾で使っている道具たち[17/09/15追記]

これまで勉強会で何度か紹介してきた、ディスレクシア学習的に便利な道具たちの、リンク先をお知らせします:

ブギーボード

書いたらすぐ消せるメモパッド。
ディスレクシア的には、自分の字がいつまでも残らない点が◎です。
ホワイトボードでも良いのですが、こちらは一瞬で消えるので授業がテンポよく続けられる、消してもゴミが出ない付属のペンでなくても書ける(爪で引っかいても書けます)点で、良いと思います。
また、このように黒地に白のほうが見やすいと言う生徒も、かなりいます。

欠点は、「間違ったところだけを消す」ができない点(漢字の偏だけ、など)ですが、慣れれば気になりません。


ブギーボード(廉価版)

本家のブギーボードは5000円前後するので、
もじこ塾ではそれより安い、2000円前後のものを使っています(↓リンク先)

機械翻訳?の日本語が若干あやしいですが
品物には問題ありません






[17/09/14追記]
とても多くの方に「ブログに出てたあれ買いました!子供がとても気に入っています」との報告を頂いています。ありがとうございます。
実は、もじこ塾では2種類の廉価版ブギーボードを使っています。
もじこ塾に来る生徒からは、「こちら↓のほうが書き味が好き」「書いている感がある」という声が多いので、紹介しておきます。
上のほうがほんの少し(本当に本当に少しです)書く時につるつるしています。下のほうが"ふこっ"としていると言いますが、ごくごくわずかながら沈み込む感じがあります。
また、下のほうが太く、緑色がかった線が書けます。
寸法は、上と全く同じです



大きさは12インチが、英語のセンテンスを書くにはよいと思います。
8.5インチだとちょっと小さめで、単語を1語だけ書いて覚えるには良いサイズです。

進化の激しい業界なので、半年後にはもっと安くなっているかもしれません。
この1年でも、使い捨てだったのが、ボタン電池を交換できる形式に進化しました。
(とはいえ、3万回は使えるそうで、まだ電池寿命まで使ったことはありません)

初めてこれを見た生徒は、たいていびっくりします。
そして、かなりの生徒が、授業後もこれに落書きをします(笑)
ディスレクシア的だなと~と思う瞬間です。


骨導ヘッドホン

正式名称は「プロナウンス」。
トマティスリスニングセンター東京(両国)などから購入できます:
http://www.ear-voice.com/brain.html


[17/09/15追記]
・骨導ヘッドホンについては、こちらの記事もあわせてどうぞ
・トマティスリスニングセンター東京の「プロナウンス」のページにリンクを貼って頂きました。「プロナウンス」のページからお越しの方々、ようこそm(_ _)m



これは、自分の声を骨導、つまり鼓膜ではなく骨を通じて聞くためのヘッドホンです。
私はトマティス理論を信奉しているのですが(詳しくはいずれまた)
その理論に基づき、耳を整えるものです。
耳が整うと、読めるようになり、ひいては書けるようになります。

また、自分の声を自分で聞いて、お手本との差を修正していくことは、ディスレクシアでなくても、語学学習において非常に効果的だと知られています。
このプロセスを、録音せずダイレクトに行うためのヘッドホンだと言うこともできます。

私が使ってみた経験上、プロナウンスが効果を上げるのは:

音韻認識が非常に悪い生徒(集団授業で、先生が何を言っているのか、ぼわぼわ~となって聞こえない人。runとranの違いが耳で聞いてもわからない人)、

声が小さくて発音のいい生徒(耳が繊細な人/聴覚過敏の人)、

◎片側難聴や耳が詰まっているなど、耳が聞こえていない自覚のある生徒

こうした生徒は、使い続けることで、かなり効果があると感じています。

逆に、×想起が遅いタイプのディスレクシアには、あまり効かないようです。

[17/09/15追記]
こちらも、コメントにあります通り、「ヘッドホン買いました」の報告を数多く受けています。
また、「他社の骨導ヘッドホンを買ってみたが、いまいちだった」との報告も入っています。

他社からも骨導ヘッドホンはいろいろ出ていますが、「プロナウンス」は、高周波を強調することで、耳の奥の筋肉を鍛え、聞く力を整えるのだそうです(それがひいては読む力、書く力につながっていきます)。
先日、5000円程度の骨導ヘッドホンを試させてもらいましたが、「プロナウンス」はこれらと比べると、自分の声が圧倒的にくっきりはっきりと聞こえます。
はずしてからも、しばらく影響が続く感じがあります。


6 件のコメント:

  1. もじこさん
    こんにちは。お久しぶりです。
    骨導ベッドフォン、高価なもので慎重になってしまいます。買いたいのですが、高いですね〜。
    想起が悪いdyslexiaとは、どんな感じのタイプでしょうか?
    聴覚認知の悪く、(音韻認識も多少悪く、不注意傾向)語想起が悪い(言葉は知っていても思い出せずモゴモゴしている)子は、ベッドフォン向いてますかね?

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    1. お返事遅くなり申し訳ありません(+_+)
      想起が遅い子というのは、読んで字のごとくといいますか・・・「正確に読めるんだけどとても時間がかかる」タイプのディスレクシアがいます。英語の場合、時間をかければ正確な訳(それも、すごくいい訳)ができるのですが、意味が出てくるまで長い沈黙が続く、みたいな。こういうタイプは特に変化が(即効性は)ないようです。

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  2. もじこ先生こんにちは。
    毎日暑いですね。
    さて、今年の栃木県で開催されるLD学会にはもじこ先生は参加予定でしょうか?
    私も参加するつもりだったんですが、日本小児心身医学会学術集会
    http://www.jisinsin.jp/conference.htm
    の方の学会に参加することにしました。今回は発達障害がテーマで、私の喫緊の興味どんぴしゃでしたので、金沢まで行ってきたいと思います。
    (相当人が集まるようで結構宿を取るのに苦労しました。)
    LD学会も気になるので、是非サイトで情報を載せて下さい!私もこちらの掲示板でご報告させてもらっていいでしょうか。よろしくお願いします!

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    1. ↑この学会、面白そうですね!聞きたい講演がたくさんあります。レポートをぜひお願いします!

      今度のLD学会は自主シンポジウムにまぜてもらうことになりました。どうなる?!

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  3. もじこ先生も発表するのですか!それは聞きたかったです。残念(><)

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  4. 骨伝導ヘッドフォンを詳しくご紹介くださり
    どうもありがとうございます。
    教えていただいた後、高価なのでしばらーく躊躇していましたが、ブログで見て再考し将来への投資と決断しました。
    ジョリーフォニックスのやる気のない息子くんの発音も
    これを使ったら面白がって乗ってくるかもしれません。(笑)
    少しでも身につくことを願って!
    ブギーボードは、即行買いました。
    タイムセール中でアマゾンで400円ほどさらに
    安くなっていたので…(^^)
    息子は「進んだ伝言板」と気に入っていて使う気満々です。
    素敵な情報、どうもありがとうございました!

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