ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

2015-08-24

つらつらと近況報告です。

ごぶさたしてて申し訳ありません。
夏休みもいよいよ最後の1週間となりました。
うちのやつはバスケ部にどっぷりはまってます。
部活がない日は、自分でそうめんをゆでて片付けもします(高笑い)
女の子2人と、セカオワのエンディング目当てで映画も見に行きました(笑)
文字のない世界なら、まるで何の悩みもないように日々が過ぎていきます。

私は、本業でちょっと難産な案件につかまってしまいました。
あと1ヶ月ほど、難しい入稿作業が続きます。

そんなこんなで、更新が滞っており申し訳ありません。
近況を少し書いておきます。

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最近、「ディスレクシアのチェックテストの合計点数を出すことさえ困難」
という当事者の感想を目にして、
このチェックテストを自動化したいと考えました。

ここまで作ったのですが↓
「合計点数を回答者に示す」という部分がどうしても、私の力では及ばずorz

これをご覧の方で、もし「こんなことは簡単にできますよ」という方がいらしたら、
ぜひお力を貸して下さいませ。

http://goo.gl/forms/YJsZzb2Fm5

http://goo.gl/forms/JdHm3qbyzR

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いろんなメールにお答えしています。

・ディスレクシアな本人(特に大人)は、自分の悩みを聞いてもらいたがっている。

という声が何人かから寄せられたのですが、
そこに、発達障害に共通する悩みのひとつが表れているのかもと思いました。

私たちは、
「自分がされて嬉しいことを、人にもしましょう」
「自分がされてイヤなことは、人にもしてはいけません」
と教わっています。

そこから類推して、
「この人は××してこない。ということは、この人は××がイヤなんだな」
と思うわけです。

しかし、発達障害の人には、これが当てはまらないのかもしれません。
「××してこない」ですが、でも「××を求めている」
そんな、ひとひねりがあるのが、発達凹凸の特徴なのかも…

つまり、

・ディスレクシアは、人の話はあまり聞いてないが、自分の話は聞いてほしい
(ディスレクシアの皆さんごめんなさい!!)
ディスレクシアはいい聞き役ではないですが、だからといって、
話を聞いてもらうのがイヤというわけでは全然なく、
むしろ、良い聞き役を切実に求めているらしいのです。

同様に、

・ADHDの人は、自分は落ち着きがないが、落ち着いた環境を求めている

・アスペルガーの人は、人の気持ちを理解しないが、自分の気持ちは理解されたい


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そのほか、考えたことは、

・読譜困難とディスレクシアの関係。
読譜困難の子が楽譜を読むための方法にはどのようなものがあるのか、
また、楽器演奏がディスレクシアの困難を和らげることについて。

・スポーツは、ディスレクシアの困難を改善する良い手段である。

・ディスレクシアにとってモチベーションは、記憶をたぐり寄せるためのもの。

・ディスレクシアのモチベーションを高めるには、美しさと遊び心が必要。

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・ジョリーの"次"の英語教材も、探しています。
途中経過ですが、Progress in English 21は今のところかなり良いです。
もう少し結果がでたら、しっかり報告したいです。


2015-08-04

7/26のセミナー、来場御礼

さる7/26に、ディスレクシア英語学習法に関するセミナー「読み書きに困難をもつ子の英語学習法~ジョリーフォニックスと”その先”~」を、山下先生と行いました。
お越し下さった方、情報提供を下さった方をはじめ、関心を寄せて下さった皆様に心より御礼申し上げます。本当にありがとうございます。

LDの親、さらにはLDの子にかかわる塾や課外活動の教師の方とお話することができ、こちらも新たな気づきをたくさん得ることができました。
今後、当ブログで還元していきたいと思っています。

首都圏はもちろん、静岡や名古屋、関西、さらには東北からもお越し頂きました。
「自分と似た境遇の方に多く出会えて良かった」との声もたくさん頂きました。
"LD児の指導に悩む、熱心な親や教師"という方々が一堂に会し、最もありがたく思ったのは私自身かもしれません。


ところで業務連絡を失礼します:

最後(かその前)に質問された方に、終了後、直接お声をかけて下さり、「子供のうちにテストしておいたほうがいいのもあるから、東京にこれるなら病院教えてあげれるよ?」という親切な申し出を下さった方、これをご覧でしたらもじこまでご一報頂けると幸いです。
その方から「その場では突然のことで何も言えなかったが、続きの話をぜひお願いしたい」とのご連絡を頂いています。
どうぞよろしくお願いいたします。→解決しました!ありがとうございます。 

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当日頂いたフィードバックやご意見に、お答えします。

Q モチベーションを高めることの重要性、英語を学ぶことの意味・全体像・将来像を常に示すことの重要性が、よくわかった。

もじこが最も力説したかったメッセージを受け取って下さり、嬉しいです。
「実はそれは、どんな子にとっても必要なことだ」との感想も頂きました。
その通りです!



Q「いちごのショートケーキ」は何のために使うものか?

※当日は、笠野紺さんを実験台に、いちごのショートケーキ→の実演を行いました。紺さん、ありがとうございましたm(_ _)m

質問にお答えしますと、「いちごのショートケーキ」は、
「Davis式ディスレクシア矯正プログラム」において、
ディスレクシアの原因である「方向感覚の混乱」を抑えるためのもの、と言われています。

紺さんは、「ディスレクシアならではの映像思考をまずは確認して、
その後それを固定するってことですよね?」とまとめて下さいました。
はい、その通りだと思います。



Q『ここにいちごのショートケーキが見えますか?』と言われても見えません。

それは「あなたは映像思考型ではない、つまりディスレクシアではありませんね」ということかと∑( ̄0 ̄;
(ディスレクシアは絵で考える、つまり映像思考型だと言われています)



Q 中1ショックを少しでも軽くするため、ジョリーを家庭で試してみようと思うが、自分もそんなに英語ができないのに教えられるか?

私も子供と試したときは、abcを教えるのは初めてだったので、ほんとに試行錯誤状態でした。

もじこの個人的意見ですが、
「××にとって一番いい勉強法を一緒に探そう。お母さんも(先生も)頑張るから」
という姿勢を示し、かつ、試行錯誤している姿勢をちゃんと見せれば、
生徒というものはついてくると思います。
山下先生のセミナーで勉強したり、教材の予習をしたりするなど、それなりの努力は必要だと思いますが、そこをきちんとすれば、基本の42の音文字対応を教えるというディスレクシア的に最初の大きな難関は教えられると思います。



Q それをするには、ジョリーの教材のうち、何を買ったらいいか?

山下先生とも話した結果、ディスレクシアには以下をお勧めします:

1)
Jolly Phonics Extra: (British English in Print Letters)

こちらは、トーキングペンが画期的ですが、4万円弱します。

値段がハードル、または教材を使い切る自信がない場合は

2)
Finger Phonics Book(全7巻に分かれています)アプリ



・アプリはiPhone/iPad用のみ。iTunes StoreのAppから「jolly phonics」で検索。
アンドロイドは未発売。

こちらだと、全部買ったとしても1万円以内で済みます。

アプリは発売からまだ1年ほどと、ジョリーの教材では最も新しいもののひとつですが、中1ショックを受けた方から、非常に効果的だったという声が届いています。
(中1の中間でショックを受けるも、ジョリーのアプリで音文字対応を覚えたところ、英語学習が軌道に乗り、中2で英検3級に合格したという、広汎性発達障害の診断を受けている方からの報告を頂きました。素晴らしいです!)



Q セミナーで習った学習方法を試したいが、学校で書かせる宿題が多すぎる。どうすればいいか。

当日、なんとも切れ味の悪い答えをしてしまった質問です。
セミナー終了後、ある方から「『この子は書くのが苦手なので、宿題はやりません』と言えばいいと思う」との指摘を頂きました。
それで思い出したのですが、道村先生も、道村式漢字カードの取り組み方として「学校の先生には『この子の漢字学習を少しの間、家庭に任せてほしい』と言うべき」と言っておられました。

中学だと内申があるので、学校の課題を完全放棄するのは難しいかもしれませんが、「別の学習方法で頑張ってみたいので、少しの間(→具体的な期間を入れる)こちらに任せてもらえないか」と言うのは一つの方法かもしれません。



Q ADHDも入っているらしいうちの子は、座って勉強ができません。。

なにも、勉強は机以外ではダメというものではありません。

思い起こせば私も、高校生の頃は集中力が5分と持ちませんでした。
5分ごとに勉強する教科を変えてもいましたが、場所を変えるのも一案です。
大学受験生の頃は、ベッドに寝転がって(暗記物は基本的にこれ)/駅のベンチに座って(これがなぜかはかどる)/山手線を何周もしながら(地元横浜からわざわざ遠征してました)/授業中の内職…など、机以外の場所で勉強をたくさんしました。いまもがっつり読みたいときは電車に乗ります(笑)。
うちの子はADHDではありませんが、冬はホットカーペットで寝転がって勉強したり、バランスボールの上で勉強したりしています。



Q もじこは小中学生は教えないんですか。

なんと過分なご用命。ありがとうございます。
ただ、、まだ1名(自分の子)しか見ていないので、プロとして教えるのは時期尚早かなと思っています。
この1名がそれなりのレベルに到達したら、そのときにはもじこ塾(仮称)立ち上げの時期なのかなと考えています。

大学受験生のディスレクシアにつきましては、それなりに実績もありますので、個別指導を承れます。

また、需要があるかわからないのですが、中1ショック対処の指導方法を、サークルのような形でシェアすることは可能かなと思っています(中央線沿線で)。
もし主催して下さる方がいたらお知らせ下さい。

☆  ☆  ☆

今後当ブログは、告知モードを終了し、上にある通り「ディスレクシアについて、調べて分かったこと/実践したこと/英語から訳した文章をアップしていく」に戻る予定です。
皆様、いつもお越し下さり、ありがとうございます!