on dyslexia

ディスレクシア
(読字障害、読み書き障害、失読症、難読症、学習障害、読み書きのLD)について、調べて分かったこと/実践したこと/英語から訳した文章をアップしています。

ディスレクシアとは:
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​​
知能は普通だが、読み書きが苦手(誤字が多い、読み書きが遅い、読み間違いが多い)。
-勉強しているにもかかわらず、読み書きがなかなかできない状態を指す。知的障害ではなく、普通~ギフテッドのあらゆるIQにみられる。
-
​​
独創的で、​​対人能力が高い。
​​
全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力
に長ける。
- ​音と文字の脳内での結びつきが弱いことから起こるらしい
- ​読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい。その理由は、英語のほうが日本語よりも"音の粒"が小さいから​
- ​細​​​​かい聞き間違いがみられるが、音声情報の処理能力は高い
- エピソード記憶が得意。固有名詞などの細かい丸暗記は苦手
- 適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される
-
​ ​
10人に1人程度いるというのが通説
​。
- 家族性であり、遺伝による​。ただしディスレクシアの表れ方は個人差が大きい



当ブログは、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能である、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要--という立場です。


2014-03-13

5年生のまとめ漢字テスト

今年も、まとめ漢字テストの時期がやってまいりました!

去年の担任の先生は、同じ問題を事前にくれたので、
それを何度も書いて覚えるという方式で臨みましたが、
今年はぶっつけ本番です。

ということは、道村式漢字カードの成果をはかる時がやってまいりました!


ドリルを使って、ひとりで書くと、鏡文字があちこちに。
本人は気づいていないようです。


3周目

まだひとりで漢字学習は難しいようです。
そこで、3日ほどかけて道村式漢字カードを1周し、
間違ったものをピックアップして2周目、
さらに間違ったものを3周目・・・という作戦に。

本人が「言うより書くほうが楽」と言うので、
つい書かせて確認を済ませそうになるのですが、
「言えなければ書けない」
逆に言えば、「言えるものは確実に覚えている」のです。
ここは頑張って、書こうとするのを止めて、あえて言わせます。
この多感覚法、30分もやるとクタクタのようで、目の上をおさえてぐったりしています。


散+解

3周目まで行ったあとは、ひさしぶりにiPadの「ゆびドリル」で書き取りのテストに取り組みました。


「構」を認識してくれず、iPadと勝負(笑)

「ゆびドリル」は、マス目に十字が切ってあり、
これを大きくはみだすと、文字を正しく認識してくれません。
「構」の字を20回書き直したりして、認識させるのに一苦労。
これが、ためになりました。




すみません、本人が出してほしいというから出します。。

右端のメダルがどうなるのかが見たい一心で、
4問×全67ドリルをほとんど1日で解き切りました。
2日目はテスト前日に、2時間かけて240問。
動機は不純ですが、やると決めたときの集中力は大したもんです。
全部解いた瞬間に金色になったのを見て大喜び(笑)
その後、ふぬけになってました。

当日は6時に起きて、道村式漢字カードの2周目で間違ったものを言って再確認。



「構」が鬼門らしいです(苦笑)


もちろん、非ディスレクシアの同級生に比べたらバランスの悪い字ですが、
それでも、3年生と4年生の頃に比べると、
字もそれなりにしっかりしてきたと思いますし、
何より定着率がかなり向上しました。

3年2学期のまとめテスト
4年生のまとめテスト

道村先生、ありがとうございます!
先生のカードはディスレクシアの子にも、非常に効果があります!
6年生も先生のカードで頑張ります。



道村式漢字カードについて、詳しくは→こちら

2014-03-12

オーランド・ブルーム、ディスレクシアを語る「自分をバカだと思ってはならない」

2/24深夜、当ブログは1時間1500アクセス(!)という瞬間最大風速を記録。
どうやら、ニュースZEROという夜の報道番組で、俳優オーランド・ブルームのインタビューが放映され、そこで彼が自身のディスレクシアについて語り、「ディスレクシア」を多くの人が検索したようです。このページの一番下にカウンターを設置してみましたのでご興味のある方はどうぞw

そのときの映像は検索しても出てこなかったたのですが、別の対談の映像が出てきました。

これが、とてもディスレクシア的な内容だったので、以下に訳してみました。

人の顔と名前がほんっと~に一致しない私は、オーランド・ブルームも今までよく分かっていなかったのですが、
話している様子を聞いていると、この方、思っていることをすごくストレートに出している印象を受けます。心がすごく近くに感じられると言うか・・・
個人的には、これこそがディスレクシア(芸術)最大の特徴だと思っています。




--7~8歳の頃の自分に何と声をかけたいですか?

夢を諦めるな、自分がバカだとは決して、決して思ってはならない。
他人に「バカだ」と言わせてはならない。
これは人格の問題でしょう。
この巨大な障害物を、大きなことを成し遂げるために越えなければならないハードルにするべきです。
このハードルを越えられれば、その分だけ人より遠くに行ける。より高い到達点に達するには、障害物が必要なのです。何というか・・・オールAで順風満帆な人生でも、麻薬に溺れることもあるし・・・とにかく、ディスレクシアという山を乗り越える挑戦は・・・(ちょっと感極まった感じで考え込んで)自分の人生の主導権を握り、自分を人生の勝者にしてくれるもの。


--宿題は大変でしたか?という質問が11歳の子から来ています。

悪夢でした。宿題はいつだって大変なことでした。エッセイ、論文、自分の考えを紙にまとめること、全部本当に大変で。でもとにかくベストを尽くすこと、そしてこの先の人生に何かが待っていると信じること、それが何かすぐに分からなくても。

オーディオブックは役に立つかも。あと自分はタイピングが今もできないけど、若い時に練習していたら役に立ったと思う。テクノロジーは役立つと思う。話しかければ文字にしてくれるコンピューターがあったらいいのにと昔から思っていたけど・・・

--ありますよ(会場からも口々に)

えっ本当に?どこに行けば買えるの?





--1年生の先生(first grade teacher)のことを覚えていますか?

初めて会った偉大な先生(first great teacher)?(会場大笑い)・・・1年生の先生、覚えてないです。
※gradeとgreatを聞き間違い!なんとディスレクシア的。

--学校は大変でしたか?

ずっと大変でした。一度通知表に「外を見るのとハムスターのケージを覗き込むのをやめさえすれば、おそらく賢い子だと思うのだが」と書かれたのを覚えていて。僕はとても気が散りやすくて・・・あととてもケガの多い子だった。事故がすごく多かった。

--どんな骨を折りましたか?

本当に多くて。頭蓋骨を数回、両足、背中、鼻、手の指、足の指、手首、腕(会場から笑い)などなど。4歳の頃、木から落ちて腕を折ったり、スツールから落ちて頭蓋骨にひびが入ったりで、僕があまりに入退院をくり返していたので、退院時に母は「息子さんのことを愛してますか?」と聞かれたほど(会場大笑い)。もちろん愛してくれてました。でもとにかくケガが多くて。


--いつも動いていた。

そうですね。

--ディスレクシアの他に、多動だと言われたことはありませんか?

いえ。ディスレクシアだって当時は知られてなかったですし。
7歳の時に初めてディスレクシアの診断を受けたとき、IQテストやパズルをたくさん受けて・・・7歳にとってはけっこう面白かったけどね・・・かなりIQは高かったらしい。そのことは大きくなって母から聞かされて嬉しかった。
でも読みと綴りは本当に大変だった。最初に行った学校はとても教育熱心(educationalを言えずに何度もつっかえる)母は僕のためにと思ってその学校に入れたが、合わずに喧嘩になってやめた。11歳の時。
そうして転校した学校はディスレクシア用のコースはなかったが、早退してディスレクシアの授業に出ることを許してくれた。その授業で筆記体を学んだ・・・いまでも最大の問題は、言葉よりも思考の方が早いので言葉が出づらいこと・・・話すのもそうだし、それ以上に書くのが思考に追いつかない
思いはたくさんあるんだけど、それを心にあるように紙に書くことができなくて・・・

--学校では良い子でしたか。

僕はイライラしていることの多い子だった。
学習障害だと、自分がバカだと感じる。僕は自分がバカじゃないと心のどこかで分かっていたけど、読み書きがつらくてそれが大きな足かせになっていた。
母が「ディスレクシアは才能(gift)でも、crust of bear?でもあるのよ」と言われたとき・・・

--つまり評価は良かった、それとも悪かった?

評価ではIQは高かった、だから母は「ディスレクシアは特別なこと」と思わせようとした。でも・・・それは隠したい種類のことだった。僕はディスレクシアをできるだけ級友から隠そうとした。

--友達からはバカだと思われていた?

何回か喧嘩はしたかも。僕は自分をバカだと思っていなかったし。
試験勉強はとても努力した。いわゆる、学校教育の次の段階に進むための試験では。でも教育をしっかり受けたとは思っていない。
偉大な文学を読んでいないことをとても残念に思う。
演劇学校ではじめて本当に教育を受けていると感じた。シェイクスピアやダンテなどの偉大な詩人に初めて接したから。それまでの学校は自分に合わなかった。投薬は受けたことはない。ただ筆記体を学べただけで。


※ディスレクシアには筆記体のほうが書きやすいとは、ジョリーでも聞いたことがあります。
※「思考に字を思い出すのが追いつかない」。これはディスレクシアからよく聞きます。
「思考に言葉が追いつかない」は初めて聞いたかも。

※うちも、止まっている自転車の列に走り込んで衝突したり(笑)、プールに初めて入った日に調子に乗って溺れたり(笑)小学校に上がる前は、ほんといろいろありました。




演劇学校時代からなぜかエージェントがいたんだけど・・・あるとき、舞台上でセリフがまったく出てこなくて固まってしまったことがあった。今思えばそれは緊張というより、ディスレクシアと関係があったんだろうけど。
それ以来、表から裏まで徹底的に準備してから、舞台に臨むようになった。
エージェントに「台本は3日前には欲しい」と強く言うようになった。台本を読みながら寝て、次の朝起きてすぐ読むと、自分の中に浸透していくのが分かった。それを2晩繰り返す必要があった。
映画業界は台本の変更が多いので、大変な部分がすごく多いんだけど・・・

--台本は読めますか?

演劇学校の3年間で、どうやってかは分からないが、音読ができるようになった。ミルトンの『失楽園』のように映像が鮮やかに浮かぶ小説なら、意図とつながることができる。ある先生の教えが特に役立った。英語が話せず通訳を介しての授業だったんだけど、演者の魂まで見透かすような人で、この先生から、字面ではなく意図を覚えることを学んだ。セリフ読みもさせてくれなかったほど。これは役に立った。


※字面ではなく、登場人物の思い(thoughts)を読むというのは、いかにも映像思考型なディスレクシアらしいエピソードです!

※前の話とあわせると、文豪の作品、それもイメージ喚起力の強い作品を朗読することで、きっと彼は読めるようになったのでしょう・・・




僕はコンピューターがとても下手で。幸運にも助手を雇える立場にあるけれど。助手のおかげで永遠に続くもぐら叩きのような一日を何とか終えることができる。気が散りやすく、やらなければならないことができないことがとても多い。

--趣味の読書はしますか?

寝る前にしようと努力している。台本を読むのにもすごく手間がかかるし・・・緑の紙だと読みやすいので、台本もそうしてもらうよう頼んでいる。白い紙だと紙の上で焦点が定まらない。

とっちらからないよう心がけていて、昔よりうまくなった。
役を与えられたら、徹底的に分解してから、スクリーン上でそれを再現するためにあらゆることをする。カメラの前でそれに命を吹き込むためにあらゆることをする。それが俳優業の面白いところ。


※字を読むために、字面の言わんとすることを徹底的に分析し、内容のほうから字を推測しているのでしょう。
恐ろしい回り道ですが、いかにもディスレクシア的な読み方だと思います。
その読み方が、演じるためにも役立っているのですね。。



2014-03-06

ディスレクシアをめぐる10の迷信

ごぶさたしてしまいました!
この1ヵ月は多くの勉強会に潜入しました。ターニングポイントとなる、いくつかの出会いもありました。
なのに、アベノミクスのせいか東京五輪のせいなのか、人類の限界に挑戦というレベルの翻訳量でして(ただし翻訳料ではない)、勉強してきたことをまとめる機会がないまま月日が流れてしまいました。。。
このレベルまで来ると、子のこともほったらかしで、するとやつはどんどんDSにはまり、誤字が増え(苦笑)まずいです。

ようやく仕事が一段落ついたので、この1ヵ月間に聞いた印象的な指摘を、「10の迷信」という形にしてみました。
以下も参考にしています:
http://dyslexia.yale.edu/Myths.html
http://www.prometheantrust.org/dyslexiamyths.htm


×迷信1「ディスレクシアは見え方の問題である」

「ディスレクシアは音⇔文字の結びつきが遅い」というのが最近の見解のようです。
視覚の問題だけでなく、音の問題(耳ではなく、音を脳のなかでどう処理しているか)も大きそうです。

・眼球運動がうまくできないために読みがつらい場合があるようですが、
眼球運動を改善することで読みが改善されるケースは、ディスレクシアとは言わないとのこと。

・ディスレクシアの表れ方は多彩です。
文字が飛び出て見える人、踊って見えるという人もいれば、普通に見えると言う(自己申告ですが)人もいます。

・幼い頃は(ディスレクシア、非ディスレクシアを問わず)語彙力、特に抽象語の語彙力が読解力を左右する。
このため、ディスレクシアであっても特に抽象語の語彙力をカバーすればキャッチアップできる
だが、小6を過ぎると、非語の理解・反復能力が読解力を左右する要素になってくる。
言い換えれば、音韻処理能力(脳の中で、未知の文字を音にすること)が重要になってくる。
ディスレクシアの子はこれが難しいので、特にサポートが必要。

個人的には、ディスレクシア的な「音」の認識が、最近の大きなテーマです。


×迷信2:「ディスレクシアは必ず悪筆だ」

ディスレクシアは「誤字が多い」and/or「字がめちゃくちゃ汚い」という形で表れることが多いですが、
「字は正確だし汚くないが、書くのがめちゃくちゃ遅い」という形でも表れます。

ディスレクシアの3タイプ:
・読み書きは速いが、間違いだらけ
・読み書きは正確だが、非常に遅い→→このタイプは特に見落とされがち
・その中間

日本語の場合、鉛筆は苦手だが筆なら得意というディスレクシアがいます。
こういうタイプの場合、毛筆の字は美麗というケースもあります。
(しかし、読むのが非常~に遅い)
こうなってくると、本当に見抜きづらいです。


×迷信3「女のディスレクシアはいない」

ディスレクシアは男女差はそれほどないというのが定説のようです。
男子のほうが多く見えるのは、男子のほうが”問題行動”が多い(女の子はおとなしい)からなのでしょう。

女の子は「正確だが非常に遅い」パターンが多いので、余計にディスレクシアだと気づかれにくいのが現状です。


×迷信4「ディスレクシアで学業優秀ということはあり得ない」

ディスレクシア=学力不振かというと、一概にそうともいえません。
有名大学・大学院修了、高度専門職など、いわゆる「学業優秀」でないと不可能な職についているディスレクシアの人はけっこういます。
隠れディスレクシア


IQが高い、努力家、モチベーションが高い、周囲から適切なサポートを受けられた・・・といった条件がそろっていることが多いようです。

周囲への適切なサポート。これについては「語彙が豊富な家庭環境だと、ディスレクシアの子はその後成功する可能性が高まる」とのことです。



×迷信5:「ディスレクシアはIQ(知能)が低い」
ディスレクシアとIQは関係ありません。
非ディスレクシアにもIQの高い人と低い人があるように、ディスレクシアにもIQが高い人と低い人がいる。それ以上でも以下でもありません。
ディスレクシアはIQとは無関係


×迷信6:「逆に、ディスレクシアなら非常に賢い」
5に同じ。ディスレクシアであっても、大半の人は普通の市民です。
身の回りにいるちょっと変わった面白い人として、普通に生息してます。

ディスレクシアの有名人もよく話題になります。
たいへん心励まされることですが、だからといってディスレクシアが全員有名人になるわけでもありません。あしからず・・・


×迷信7:「ディスレクシアだと全く読めない/書けない」
「読字障害」と言うと、まったく読み書きできない人を想像してしまいますが、実際にはディスレクシアの人は、まったくケアを受けていない場合でも、傍からみると下手なりに読み書きできる場合がほとんどだと思います。
「字が苦手」「字の間違いが多い」と言うほうが実態に近いです。


×迷信8:「ディスレクシアだと、一生読める/書けるようにならない」
・ディスレクシアでも、適切な訓練を受ければ、読み書きできるようになります!!
ただし、普通の子の何倍かの努力が必要です。
(その方法が当ブログの1大テーマなわけですが・・・。)

・ディスレクシアの人は、持ち前の創意工夫により、書かれていることの内容を理解するための戦略を独自に身に着けていくようです。


×迷信9:「小学校に入らないとディスレクシアだと分からない」
日本ではディスレクシアの存在も知られていないですし、対策も手探りのなか、気の早い話ですが。。
欧米では、脳を調べればディスレクシアの有無は就学前に分かる、とか、
親やきょうだいにディスレクシアがいる場合は、ディスレクシアかもと考えることができる、とされています。

就学前に「?」と思ったので医師に相談するも、「しばらく様子を見ましょう」と言われたので放置。
これは本当に残念なことです。
早くからディスレクシア対策をとればとるほど、あとあとの苦労も小さくて済みます。


×迷信10:「ディスレクシアは必ず不器用である」
ディスレクシアは、言語の他の側面、運動能力、暗算能力、集中力、整理整頓が苦手、という困難も併発するが、これらはディスレクシアの裏付けではない、とのことです。