on dyslexia

ディスレクシア
(読字障害、読み書き障害、失読症、難読症、学習障害、読み書きのLD)について、調べて分かったこと/実践したこと/英語から訳した文章をアップしています。

ディスレクシアとは:
- 
知能は普通だが、読み書きが苦手(誤字が多い、読み書きが遅い、読み間違いが多い)
- 独創的で、対人能力が高い。空間把握力、全体像や物事の関係性を把握する能力に長ける。
- 音と文字の脳内での結びつきが弱いことから起こるらしい
- 読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい
- 細かい聞き間違いがみられるが、音声情報の処理能力は高い
- エピソード記憶が得意。固有名詞などの細かい丸暗記は苦手
- 適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される
- 10人に1人程度いるというのが通説

当ブログは、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能である、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要--という立場です。


2013-06-14

企業にはアスペルガー、ADHD、ディスレクシアが必要

英エコノミスト誌の記事(原題は「規格外の人を礼賛する」)を訳してみました。原文はこちら

欧米のディスレクシア観は、日本よりはるかにポジティブです。
現実逃避で思わず訳してみましたが、日本もこうなってほしい。。


・企業はいま、率先して発達障害・学習障害の人を採用している。

・Facebook創業者、サブプライム問題を予見したヘッジファンドマネージャーなど、
時代の先を見抜く人にアスペルガーが多く見られる

・現代のまっとうな企業には発達障害・学習障害の人が必要。

・一方、そうでない人も管理職として必要。

・管理職のほうが、発達障害・学習障害の人とうまくやっていく方法を学ぶ必要がある

・テクノロジー企業での社内結婚によって、発達障害の子が増えている(!)



「企業にはアスペルガー、ADHD、ディスレクシアの人間が必要である」


201262日、エコノミスト誌

1956年、ウィリアム・ホワイトはベストセラーとなった「The Organization Man(組織人)」のなかで、「企業は役員に『バランスのとれた』人物を置きたがるあまり、『天才を排除する戦い』を行っている」と指摘した。
現在、多くの企業がこれと正反対の主義を掲げて戦っている。ソフトウェア会社はコミュ障のギーク(技術者)を積極的に採用し、ヘッジファンドも偏屈な人間を金融分析の専門家として囲い込もうとする。ハリウッドはクリエイティブな人材を採用しようと血眼になって探している。そして政策立案者までもが、雇用を創出してくれる人材として規則を破っていく起業家に期待している。
学校とは違い、市場は「規格外」の人を求めているのだ。

企業の採用担当者は、優秀なプログラマーに必要な資質は、アスペルガーと診断される特徴とかなりの部分で重なっていることに気が付いている。マニアックな話題に取りつかれたように関心を持つこと、数字や規則性、機械に情熱を傾けること、反復作業を中毒的に好むこと、人間関係のサインに鈍感なこと、などである。
シリコンバレーには「インターネットは「スペクトラム上の人」(シリコンバレーでは「アスペルガー」をこう言う)によって、スペクトラム上の人のために発明された」という冗談もあるほどだ。ネット上では人と直接会うという「試練」を経ずに、コミュニケーションができる。

「ワイヤード」誌ではこれを「ギーク症候群」と名付けたことがある。ところで、過去10年間に設立されたネット企業と言えば、フェイスブック社草創期の投資家のひとり、ピーター・ティエルは「ニューヨーカー」誌に次のように語っている。「フェイスブック社の経営陣はアスペルガーっぽい」。
かつて同社に在籍していた黃易山は、創業者マーク・ザッカーバーグは「積極的なフィードバックを示さなかったり、こちらの話を聞いている風でなかったりした点で、アスペルガー気味だった」と書いている。
Craigslist創業者のクレイグ・ニューマークは、アスペルガー症候群の特徴一覧を見ると「気持ち悪いくらい身に覚えがある」と言う。

同様の傾向は金融業界の上層部にも見られる。かつてはプレッピー(アイビーリーグ出身、独特の言葉遣い・プレッピースタイル・サブカルチャーを特徴とする社会階層)が占めていたのが、いつしか数理分析の専門家たちが取って代わった。
マイケル・ルイス著「世紀の空売り」で一躍有名になったヘッジファンドマネジャーのマイケル・バーリは医学生時代、友達も少なく趣味で株式市場に関するブログを書いていた。このブログがあまりにファンドマネジャーの注目を集めるようになったため、医学の道から転身して自身のヘッジファンド、サイオン・キャピタルを設立。サブプライム市場がおかしいことにいち早く気づき、近いうちに大暴落すると見込んで賭けに打って出た。
「サブプライム危機のさなかに私が唯一信頼できた人物は」と著者ルイス氏はラジオ番組で語っている「アスペルガー症候群と慧眼を持ったこの男だった」。

起業家を見ても、発達障害者は驚くほど多い。キャスビジネススクールのジュリー・ロギンが起業家を対象に行った調査によると、35%がディスレクシアだと自己申告した(人口全体では10%、管理職では1%がディスレクシアだと言われる)。ディスレクシアの有名人には、フォード、GEIBM、イケアの創業者がいるほか、近年の成功者ではチャールズ・シュワブ(オンライン証券会社創業者)、リチャード・ブランソン(ヴァージングループ創業者)、ジョン・チェンバーズ(シスコ創業者、スティーブ・ジョブス(アップル創業者などもそうだ。
ディスレクシアに起業家が多い理由はいくつかあるだろうディスレクシアの人は早いうちから人に仕事を任せる方法を学ぶ(例えば、周りの人に宿題をやってもらうなど)。公的資格を必須条件とせず読み書きを必要としない活動に傾倒する、などだ。


ADDもまた、起業家によく見られる。ひとつのことに長く集中できない人は、社員としては最悪だが、新たなアイデアが泉のように湧き出てくる存在だ。研究によると、ADDの人は自分の会社を経営するようになる確率が、平均より6倍も高い。
格安航空会社JetBlue創設者のデイビッド・ニールマンはこう語る。
「わたしのADDの脳はほうっておけば自然に、物事をより良く行う方法を探そうとする。ADDは整理整頓ができない、時間を守れない、集中できないなど、山のように欠点があるが、同時に独創性と、あえてリスクを冒す能力がある」。
キンコーズ創設者で、以後も数多くの企業を立ち上げてきた起業家のポール・オルフィリアは、ADDとディスレクシアを併発している。
「わたしは非常に飽きっぽい。でも飽きっぽいことが大きなモチベーションになっている。すべての人がディスレクシアとADDになるべきだと思う」。

では、従来型の組織人間はどうすればよいのだろう?
組織人間は組織にとって相変わらず必要な存在であり続けるだろう。企業が異端の人を採用すれば、その分だけ、会社の基盤を固める分別あるマネジャーが必要となる。退屈だが組織にとって不可欠、そんな仕事をきちんと行う人も必要なのだ。顧客を(さらには議員を)喜ばせる人も必要だ。
こうした仕事は、異端でない人をバカにした印象を与えない人が適している。(Facebookの最高執行責任者シェリル・サンドバーグも、ザッカーバーグに代わってこの仕事をうまくこなしているようだ)。
起業したばかりの多くの企業が、創業者に代わってプロのマネージャーに入ってもらうだけで廃業を免れる。もちろん、マネージャーはギークとうまく仕事をやっていく術を身につけなければならない。


ギークの才能は遺伝子の中に

普通でない心の持ち主が集まることは、新たな問題を生み出している。
発達障害・学習障害の頭脳を必要とする会社に勤める人は、同じような人と結婚する傾向が強い。ケンブリッジ大学のサイモン・バロン=コーエンによると、アスペルガーの傾向がある男女が出会い結婚すると、その子供がアスペルガーさらには自閉症である可能性が高まるという。
テクノロジー企業が集積するオランダ・アイントホーフェン在住の子供は、同じ規模のオランダ国内の2都市に比べ、自閉症と診断される子供が24にのぼるとも言う。さらに同氏は、ケンブリッジ大学で数学、物理学、工学を専攻する学生は、英文学を専攻する学生よりも、親戚に自閉症の人がいる確率が高いことも指摘している。
すべてとは言わないまでも多くの企業は、重度の自閉症の人を採用することに慎重だ。
一方でデンマークのスペシャリスト・ピープル社のように、高い記憶力や反復への耐性を必要とするポジションに、自閉症の人を紹介する企業もある。


さらに広く見渡すと、組織人間に代わって非・組織人間が台頭していることは、パワーバランスが変わりつつある。
非・組織人間は「四角い釘」、学校では苦労するかもしれない。友達にからかわれたり、パーティーでは無視されるかもしれない。だが今の時代、真剣な企業は彼ら彼女らなしでは発展できないのだ。シリコンバレーに幅広い人脈を持つカイラン・マルホトラの言葉を借りれば「ギークであることはかっこいい」のである。

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インターネットは発達障害者によって、発達障害者のために発明され、
そして発達障害者の台頭を進める原動力となっている。というわけですね。


文中、「スティーブ・ジョブスはディスレクシア」とあります。
本当?!
マニュアルなし、直観的に操作できるiPhoneは、
ジョブスがディスレクシアだから現在の形になった
…という説には納得ですし、
彼の代名詞とも言えるアップル製品発表会で、
パワポの数字を読み間違えていたというエピソードも読んだことがある気がします。
あるいは、
ジョブスは最初から、本書に口は挟まない、それどころか、あらかじめ見せてもらう必要もないと宣言して私を驚かせた。
「これは君の本だ。僕は読みもしないよ」
(『スティーブ・ジョブス』上巻p3 はじめに 本書が生まれた経緯)
というエピソードだけでも、もしかして・・・?とは思うのですが、

破天荒で人との衝突をいとわないあたりは、
ディスレクシアというよりアスペルガーのような気もします。

2 件のコメント:

  1. 少し、ジョブズ氏の事で違和感を感じたので、書き込みをさせて頂きます。
    彼の伝記を読んだ印象ですと、NPD(自己愛性人格障害)なんだと思います。
    彼の元彼女であるクリス・ブレナンも、のちに彼についてそう語っているようです。
    私自身、NPDにかなり心当たりがあり、ジョブズ氏の生き様に衝撃を受けた次第です。

    もし興味などあれば、NPDについての記事も書いて頂けたら嬉しいです!

    駄文になりましたが、参考にして頂ければ幸いです。

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    1. ご指摘ありがとうございます。
      自己愛性人格障害。なるほどです。
      これから勉強してみます!

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