ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

2013-05-28

ディスレクシアの子に地図の読み方を教える

ディスレクシアの人は地図を読むのが苦手だそうですが、
子の場合も例外ではありません。
方向感覚はあり、一度自分の足で行った場所はだいたい行けて、
それがどちらの方角にあるかも分かっています。
が、地図には相当混乱していました。

明日、学校のテストで、
日本の最北端・最南端・最東端・最西端を答えなければいけないそうなのですが、
この3~4日家で確認しても、なかなか覚えられずにいました。

「日本で一番南はどこ?」と聞くと
「え~と、北はこっちだから南は・・・」
と実際の方角を指そうとするので、
なんで地図上の場所を言えばいいのに、実際の方角を答えようとするんだ?
もしや・・・?!
と思い、次のような方法を試してみました。

これが何ともうまくいったのです!


<日本の最北端を教える方法>


巨大な白地図を用意する。
なぜかうちには、巨大な白いボードがあったのです(笑)
これに白地図を描いてあげました。

地図が印刷されたレジャーシートのようなものがあれば、代用できると思います。
ただし、余計な情報ががちゃがちゃ描きこまれていないほうがいいかもしれません。


白地図を、実際の東西南北と同じ向きに置く。
これが、とても大事なポイントです。



白地図に、覚えたい地名を書いてもらう。




画像が暗くてすみません。。「よなぐにじま」と書いています。




巨大な地図の上に腹ばいになって地名を書くと、
同じ地名暗記でも「机の前での勉強」から
「体を使った遊び」の感覚に近くなるから不思議です。






現在地にしるしをつけ、そこに北向きに立ってもらう。


北を指さしてます。



うちは東京在住なので、東京の場所に☆を描き、
そこに北向きに立ってもらいました。

このとき、地図上の北と、実際の北があっていることがポイントです。
なぜなら、ディスレクシアの子は、未知の場所を
今いる場所からどのような位置関係にあるか
で覚えるようなのです。




覚えたい地名の上に立ってもらう。

「日本で一番北はどこ?」と聞かれて、北方領土の上に立っているところ。



これを東西南北について行います。

すると・・・紙の地図の上だと混乱をきわめていた東西南北が、すんなり分かるのです(!!)

実際の北方領土がどの方角にあるかと、地図上の北方領土を
結び付けているらしいのです。




地図が頭に入ったら、地図を立てる。



地図を壁に立てかけた状態で、先ほどと同じ質問をします。
「日本で一番北はどこ?」
一度からだを使って覚えたら、
方角が実際とずれていても答えられます。

立てた状態で答えられたら、紙の上でも答えられます。


「日本で一番西は与那国島」




「ディスレクシアは地図が苦手」というのは、実は
・視点が常に移動している。
・何ごとも、全体像のなかで把握したい。
・未知の場所を「現在地との関係」でとらえようとする。
・地図のように抽象化された形より、「自分との関係」のように具体化された知識のほうが好き。

ということの現れなのでしょうね・・・



ディスレクシアの子には機械的な丸暗記は最も苦手とするところなので、
・北方領土の歴史。もともとは日本人でもロシア人でもない人達が住んでいたが・・・から始まり、現在係争中であること。
・沖ノ鳥島は、島というより単なる岩であること。経済水域のこと。google画像検索で岩の画像も見せました(google画像検索でわかりにくい固有名詞の画像を見せるのは、予備校の英語の授業でも盛り上がります)
・与那国島は台湾のほうが近いこと。尖閣諸島のこと。
といった周辺知識も話しました。

こういう話は楽しく聞いてくれます。
でも、日本最北端・最南端・・・の地名を覚えるには、あまり役に立っていないようです。


私も、ディスレクシア的な世の中の見え方が、少しずつ想像がつくようになってきたかも(笑)?!







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