on dyslexia

ディスレクシア
(読字障害、読み書き障害、失読症、難読症、学習障害、読み書きのLD)について、調べて分かったこと/実践したこと/英語から訳した文章をアップしています。

ディスレクシアとは:
-
​​
知能は普通だが、読み書きが苦手(誤字が多い、読み書きが遅い、読み間違いが多い)。
-勉強しているにもかかわらず、読み書きがなかなかできない状態を指す。知的障害ではなく、普通~ギフテッドのあらゆるIQにみられる。
-
​​
独創的で、​​対人能力が高い。
​​
全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力
に長ける。
- ​音と文字の脳内での結びつきが弱いことから起こるらしい
- ​読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい。その理由は、英語のほうが日本語よりも"音の粒"が小さいから​
- ​細​​​​かい聞き間違いがみられるが、音声情報の処理能力は高い
- エピソード記憶が得意。固有名詞などの細かい丸暗記は苦手
- 適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される
-
​ ​
10人に1人程度いるというのが通説
​。
- 家族性であり、遺伝による​。ただしディスレクシアの表れ方は個人差が大きい



当ブログは、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能である、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要--という立場です。


2013-01-15

ディスレクシアのチェックテスト

大人用のディスレクシアチェックテストを翻訳してみました。

子供用はこちら
ディスレクシアのチェックリスト(子供用、Davis式)
文科省版ディスレクシアのチェックテスト、と見なせるもの




まずはInternational Dyslexia Association(国際ディスレクシア協会)の
「大人のためのディスレクシア自己診断ツール」→原文はこちら



以下の質問に、「はい/いいえ」で答えて下さい:

1 読むのが遅い。
2 学校では読み方を学ぶのに苦労した。
3 文章を23回読まないと、意味がわからない。
4 音読は好きではない。
5 読んだり書いたりすると、字が抜けたり、入れ替わったりする。または勝手に字を足してしまう。
6 見直しをしても、まだ誤字がある。
7長い音節の単語の読み方がわからないことがある。
8 長い本や小説より、雑誌や短い記事の方が好き。
9 外国語を学ぶのに非常に苦労した。
10 大量に読まなければならないような授業や課題を避けがちだ。


「はい」が7つ以上で、ディスレクシアの可能性があります。



もうひとつ、British Dyslexia Association(英国ディスレクシア協会)による
「大人のためのディスレクシアチェックリスト」→原文はこちら

以下の問いに答え、点数の合計を出して下さい。

Part 1
ほとんど
ない
時々
ある
結構
ある
ほぼ必ずそう
1 字面が似た単語を混同しがちだ
hathotなど)
3
6
9
12
2 読んでいる最中、どこを読んでいるかわからなくなる、または行を飛ばしてしまう。
2
4
6
8
3 ものの名前をよく間違える
(イスを間違ってツクエと呼ぶなど)
1
2
4
4
4 右と左が混乱する
1
2
4
4
5 地図を読むのが難しい、または地図を頼りに初めての場所に行くのは難しい
1
2
4
4
6 同じ段落を何回か読まないと、理解できない
1
2
4
4
7 一度にいくつもの指示を与えられると混乱する
1
2
4
4
8 電話でメモを取ると間違う
1
2
4
4
9 正しい表現が思いつかないことがある
1
2
4
4
10 問題につきあたると、独創的な解決方法を見つけ出す
1
2
4
4
Part 2
簡単
ちょっと
手強い
難しい
非常に
難しい
11 e-le-phantのような単語(長い音節の単語、字面と発音が一致しない単語)を、声に出して読むことができますか。
3
6
9
12
12 何かを紙に書く時、自分の考えを整理して文字にすることができますか。
2
4
6
8
13 九九を言えますか。
2
4
6
8
14 アルファベットを順に言えますか。
1
2
3
4
15 文章を声に出して読めますか
1
2
3
4




「このチェックテストは診断のツールではありませんが、研究の結果、以下が示唆されます:

44点以下:あなたはディスレクシアではないでしょう。
ディスレクシアと診断された人で45点を下回った人はいませんでした。ここから、45点を下回る人はディスレクシアでないと考えられます。

45点から60点:弱いディスレクシアの傾向が見られます。
この点数幅の人は、弱い(またはそれ以上の)ディスレクシアの兆候が見られました。一方、それまでディスレクシアとの診断を受けていない人も数名、この点数を出しました(この人達は、これまでディスレクシアだと気づいておらず、診断を受けていなかっただけの可能性があります)

61点以上:中程度または重度のディスレクシアの傾向が見られます。
61点以上の人は全員が、中程度または重度のディスレクシアと診断されました。よって、61点以上の人は中程度または重度のディスレクシアだと考えられると我々は提案します。注意:本チェックテストの結果は、学習障害の確定診断ではありません。」

追記
ディスレクシアの検査についてまとめました。→こちら

追記(15/11/09)
初めてコメントを頂いてからちょうど2年、
この記事のアクセスは現在、73000件に達しています。
ディスレクシアを調べてくる人の多さを実感しています。

今後は、この記事のコメント欄を「ゲストブック」とします。
上のチェックテストをやってみて「自分はディスレクシアかも」と思われた方、
点数と、簡単なディスレクシア的自己紹介を、よろしければぜひお願いします
原則としてコメントなしで掲載します。どうぞお気軽に書いていって下さい^^


2013-01-11

ディスレクシアには色々なタイプがある


Neurological Differences Support Dyslexia Subtypes

の翻訳です。

・ディスレクシアには下位区分がある(いろいろなタイプがある)

・ディスレクシアは右脳に違いがある

・ディスレクシアのタイプによって、右脳のどの部分に違いがあるかも異なる


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ディスレクシアの下位区分に
脳神経学的差異が対応している

2009626日:ディスレクシアは通常の読み能力を持つ人と比べ、右脳のいくつかの部位が異なることが明らかになった。MRIで両者を比べた結果、複数の神経学的な相違を発見。このそれぞれを、ディスレクシアが抱えるいくつかの言葉の困難に結びつけることができた。


エジンバラ大学のCyril Pernet氏の研究グループは、38人のディスレクシアの脳と普通脳のモデル(通常の読み能力を持つ39人のスキャンを合成したもの)を比べた。
38人すべてにおいて、右のcerebellar decliveまたは右のレンズ核のいずれかに相違がみられた。
この相違を、言語テストのさまざまな成績に関連づけることができた。

最近、ディスレクシアが単一のものではなく、複数の異なる神経認知的病理を反映している可能性があることが認められつつある。
研究者はここ数年、ディスレクシアの種類を区別する方法を探っている。
本研究は、脳構造とディスレクシアの症状の重篤度の間の直接的関連性を示す初の研究のひとつである。

「これらの結果は、ディスレクシアにはさまざまな下位区分があること、ディスレクシアの下位区分は脳の表現型の相違によって特徴づけられることの証拠となる。
また行動分析の結果、言語を基盤とするさまざまな処理(「文字と音を対応させる」「脳内辞書に迅速にアクセスする」など)の自動化の欠陥に、こうした脳の表現型の違いが関係していることが示唆される。」


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ディスレクシアの現れ方は人によってたしかに違います。

例えば、ご本人もディスレクシアで、教師として実践活動もしている神山忠先生。
この方の講演「ディスレクシアについて」はこちら

「ディスレクシアの人にとって文字はこう見える」というのを非ディスレクシアにも実感させてくれて、
身につまされましたが、
子にこれを見せて「あんたも字がゆがんで見えるの?」と聞いても
「おれはこんな風には見えないよ~」と言っています。
青や黄色の透明シートをかけてあげても「特に読みやすさは変わらない」と言います。

家庭教師君も「自分は読む分には問題ない」と言います。
傍から見ると抜けが多そうなのですが、、

私が知る他のディスレクシアの高校生を思い浮かべても、
・読むのが強烈に遅い(たぶん試験時間内に終わらないくらい遅い)が、書く答案は完璧
・読むのはむしろ速いほうだが、大意把握型で細部まで行き届いていない
・内容は把握できるが、訳抜けが多い
・訳抜けが多いが、話の核心をつかんでいる
・行を飛ばしたことに気づかない(ので内容が理解できない)
・鉛筆で行を追いながら読む(読み終わった後の問題文は線だらけ)
・スペルミスが多い、and/or、漢字のミスが多い
・bとdがひっくり返る
・・・など、いろいろな現れ方があります。

難関大を目指すレベルになると、大学受験までに自分なりの「戦略」を作り上げている(または作り上げつつある)場合が多いです。

では、小学生には、あるいは難関大を目指さないレベルの子には、どのような援助ができるのか?