on dyslexia

ディスレクシア
(読字障害、読み書き障害、失読症、難読症、学習障害、読み書きのLD)について、調べて分かったこと/実践したこと/英語から訳した文章をアップしています。

ディスレクシアとは:
-
​​
知能は普通だが、読み書きが苦手(誤字が多い、読み書きが遅い、読み間違いが多い)。
-勉強しているにもかかわらず、読み書きがなかなかできない状態を指す。知的障害ではなく、普通~ギフテッドのあらゆるIQにみられる。
-
​​
独創的で、​​対人能力が高い。
​​
全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力
に長ける。
- ​音と文字の脳内での結びつきが弱いことから起こるらしい
- ​読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい。その理由は、英語のほうが日本語よりも"音の粒"が小さいから​
- ​細​​​​かい聞き間違いがみられるが、音声情報の処理能力は高い
- エピソード記憶が得意。固有名詞などの細かい丸暗記は苦手
- 適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される-
​ ​
10人に1人程度いるというのが通説
​。アメリカの調査では3人に1人とも
- 家族性であり、遺伝による​。ただしディスレクシアの表れ方は個人差が大きい



当ブログは、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能である、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要--という立場です。


2013-12-25

AKBこじはるが「漢字わかんない」のはディスレクシアだからだと誰か教えてあげてほしい・・・

昨日のサンスポにこんな記事が。

こじはる、今年の活躍を漢字一文字で表すと?「漢字わかんない」
AKB48の小嶋陽菜(25)が24日、東京・福家書店新宿サブナード店でフォトブック「こじはる」(講談社、1200円)の発売イベントを行った。・・・「ハート・エレキ」で初センターを務めるなど活躍した今年を「漢字一文字で表すと?」と問われ、「漢字わかんない。ゆるいって漢字あります?」ときょとん。報道陣に「緩い」と教わり、「じゃあ、それで」と笑いを誘った。



これはもしやディスレクシアでは?と思って調べたら、動画が出てきました。

http://www.youtube.com/watch?v=mUwOqym_4P8
http://www.youtube.com/watch?v=Cg8lOZXjq6k

岡村隆史に集中砲火的にいじられてますが(笑)
これはバカなんじゃなくて、ディスレクシアでしょう!
(そしてまた天真爛漫なボケっぷりで
その場の話題を全部持ってっちゃってます、
このへんもいかにもディスレクシア的)

この字を見て、私はこじはるディスレクシア説を確信しました。
「帯」はうちの子も苦手な字です。
(聞くと「一・山・ワ・巾でしょ」と言ってくれましたv)


「tenまで書いたら一つ足りなかったから、一番自信のあるfiveをもう一回書いておいた」
と答え、場内に唖然とされてれましたが、、、
うちの子も数字のひとつ抜かし、けっこうやります。
しかも抜けるのは7か8あたりと決まってます。

女子のディスレクシアはこのように、字が乱雑にならない場合が多い気がします。
おそらく、「字がきれいでないと恥ずかしい」というプレッシャーが
男子より大きいせいでしょう。
あまりに斬新な和訳に場内は騒然としてましたが(笑)
ディスレクシア的には、Hamletをhelmetと読み違えているのもいかにも。
もちろんディスレクシアはいつだって斬新です。


このように、たまに全問正解しているあたりからも
上の問題を真剣に解答していることが分かります。
ディスレクシアはいつだって真剣なのです。


こんな記事も出てきました。

http://www.cinematoday.jp/page/N0045011
 また、単独でナレーションを務めることになった小嶋は、「わたしはMCをやらせていただいている番組もあるのですが、最初は進行を任されていましたが、漢字が読めなかったり進行を忘れたりするので、どんどんセリフが減りました」と悲しい事実を明かす。「グループの中でも進行したり、大切な言葉を言う役はあんまり回ってこないので、トークの面では気を楽にして仕事しています」とそんな中でも楽しみながら仕事をしていると笑顔で語った。

映画配給会社ギャガは小嶋の起用について、「小嶋さんは自ら未来を切り開く日本をリードするAKB48の中心メンバーとして活躍されている一方で、今日本で“プリンセス”といったらこの人しかいない、と思える美しく、凛(りん)としながらも柔らかな雰囲気を持たれています」とコメントしている。日本のプリンセスはきっと本作を盛り上げてくれることだろう。



今まではAKBのメンバーの区別は全然ついてませんでしたが、
これからは、こじはる推しで行きますよ(笑)!

2013-12-22

ディスレクシア英語教育の覚え書き


大阪で行われたセミナーに、日帰りで行ってきました。
師と仰ぐお方についにお目にかかることができました!
師から教わり、また考えたことを、覚え書きとして書いておきます。




■ディスレクシアに特化した「特別支援」を
ディスレクシアは特別支援教育の範疇に入るようだが、特別支援教育といっても幅広い。
ディスレクシア教育と、自閉症・ADHD・知的障害への教育をまとめて語るのは限界がある。

もちろん後者も大変だし、学ぶべきことも多い。
でも純粋なディスレクシアの場合、「知的な遅れはなく、問題行動も基本的にはなく、真面目に取り組んでいる、でもとにかく字だけが苦手」なため、教員による対策が後回しになりがち。

読み書き困難への対処に特化した教え方を、細かく具体的に情報共有していく必要がある。




■アセスメントの限界。
ディスレクシアの子の多くは学年が上がるにつれて、日本語の読み戦略(内容を推測するなど)を身につけていることが多く、読解力検査をしてもひっかからないことも多い。
1回の読解力アセスメントでディスレクシアかどうか判断をするのは、限界がある。

それよりも、教師や親が一定期間※、その子の読み書きする様子に接するなかで「この子はちょっとおかしいかも?」と気づく……このほうが確かな指標になる。

特に、児童英語の先生は、ディスレクシアに気づきやすい立場にある(1人の子を学校の教師よりも長く見ることが多いし、英語のほうが日本語よりディスレクシアが表れやすいため)。

※予備校なら、5日間の季節講習で毎日答案を見れば、かなりわかります。




ディスレクシア小学英語教育は「文字と音の対応」を徹底させる
ディスレクシアの子は文字と音の対応(aという字を/a/と読むこと)を覚えるのに、普通の子の何倍も時間がかかる。
普通の子ならあっという間に覚えてしまうアルファベットの発音の仕方が、ディスレクシアだと英語の入口にして最大の難関になる。
ここでつまづき、英語が永遠に読めるようにならず、トラウマを抱えるディスレクシアの子は多い。

ディスレクシアの子には小学校4~5年になったら、そろそろ英語の文字と音の対応を教えていくべき。
中学ではこの部分は一瞬で通過してしまうため、先取りしておかないと、あっという間に落ちこぼれてしまう。

また、小学校に英語が導入された暁には、少なくともディスレクシアの子には文字と音の対応を徹底させていくべきである。

ディスレクシアの子は対人能力は高いため、おそらく英会話には不自由しない。




■具体的にはどうするか?
文字と音の対応を教えるには、やはりフォニックスが一番であろう。
(ジョリーフォニックスはとりあえずうまく行っています。親子でもできます。他のフォニックスも可だろうと思いますが、シンセティック・フォニックスである必要はあると思います。)

塾などにフォニックス指導をお願いする場合は、音と字の対応がつらいのだと伝えるといいかもしれない。

あくまで「音→文字→意味(単語)」の順に進むべき。
フォニックスではない「一般的な」英語教室だと、原則として「単語→意味→音」の順に進むので、ディスレクシアには無理。




■子供の「将来の姿」を想像する
その子が自立した将来の姿を想像し、そこから逆算して今すべきことを考える。
「将来の姿」を想像できると、子供の見え方、ひいては指導の仕方も、根底から変わってくる。

表面化している「できなさ」だけしか見ない場合、ミスマッチ(知的レベルよりも幼稚な内容の教材をあてがうなど)を起こす。
目前に迫った試験対策だけしか考えない場合、ディスレクシアの子は読めるようにならないし、かえって混乱を深めることにもなりかねない(カタカナで単語の読み方を書いたプリントを配るなど)。




■何のために英語を勉強するのか?
「サバイバルのため、コミュニケーションのため」→その通り。でもディスレクシアに関しては、この点について特に対策は必要ない。サバイバル力、コミュニケーション力は非ディスレクシアよりも高いのだから。

「ツールを使えばよい」→これもその通り。読み上げソフト、音声認識、ワープロの使用などはディスレクシアにとっては福音。
でも日本で生きていくのなら、こうしたツールが入試で使えなければ、子供にとっては手放しで喜べるものではない。

日本で暮らしていく以上、英語は入試のために必要という側面がどうしても出てくる。
そこを無視することは、ディスレクシアの子の人生の選択の幅を狭めることになる。

これは漢字も同じ。
漢字が読めないと資格試験も通れない。
ディスレクシア指導においては得意を伸ばすことも非常に大切だが、ディスレクシアの子の人生の選択の幅を保証するためにも、少なくとも親や教師はディスレクシア児が漢字を読めるようになることを最初から投げてはいけない。
いくら漢字が「なんとなく意味がわかる」ものだといっても、それでも漢字を正確に読めるようになる努力を、親や教師が放棄してはならない。




■ディスレクシア用のフォローをまったく受けないまま、大学受験まで来てしまった子は、どうすべきか?
1時間かけて1~2パラグラフしか読めないような子は、フォニックスまで戻ってもいいかもしれない。小学生よりもはるかに短期間で終わるはず。
sight words(フォニックスのルールでは読めない「例外」の読み方をする単語。実は英語の最頻出語の多くがこれ)を教えるのもよいかもしれない。

単語は、ディスレクシアだと暗記は苦手だが物語を覚えることは比較的得意なので、文脈のなかで覚える。音が先→文字が後が鉄則。

構文はきちんと理解できることが多い(理屈が分かれば記憶への定着は良いため)。文字と並行して構文を教えるといいかも?

定規をあてて読む、カラーシートをかけるだけで、意外と効果がある場合も。




■電子辞書の効用
ディスレクシアの場合、電子辞書を早めに導入すべき。
・ディスレクシアだと、アルファベットの順番を覚えるのが大変なので、紙の辞書を引くのに苦労する。
・発音を読み上げてくれる機能が、「音→文字」の順での単語学習に役立つ。
・文字を大きくする機能も、ディスレクシアにやさしい。

(でも、電子辞書だとスペリングをなかなか覚えられないというマイナス点が。
また難関大学受験レベルで和訳が必要な場合、電子辞書だとどうしても日本語表現力が失速する。
どうしたものか。。。)




■ジョリーフォニックス、ひととおり終わったら次は何をすべきか?
tricky words(sight words)に行くと同時に、付属の易しい本を読み始める。ディスレクシアは物語が好きだから。
その場合も、まず音から入る。
本にCDが付属している場合、それを使ったシャドウイングは効果がある。

2013-12-18

「先生の話は分かるけど、板書になった瞬間に分からなくなる」

書き取りのように、漢字を思い出して書くことだけに集中できるのなら、
準備を重ねれば、ぎりぎりなんとかなります。

しかし、板書というのは、
・黒板とノートとの視線の往復
・黒板の字を読み、短期記憶に入れて、ノートに吐き出す
・整理しながら書く

・・・と、さまざまな要素がかかわってきます。
これは、ディスレクシア的には、あまりにも酷なことです。











































10月くらいに、例によって泣きながら
(子は昔の私に似て(笑)、自己主張しようとすると涙が出てきます)

「黒板の字を写してると、このへんが(と胸を指して
ムズムズして、つらいんだよ」
↑確認したら両耳のあたりがムズムズするそうです
「自分で書いた字も読めないし。
友達にも『こんな字で読めるの?』って言われるし」

と告白しました。

夜中、眠くなるまで翻訳仕事をしていると、
胸のあたりがもやもやして座ってられなくなります。
それと同じかもしれません。
仕事なら、もう今日はこれ以上は無理と諦めるところです。

「ムズムズしてつらいんだったら、
黒板の字をわざわざ写さなくってもいいんじゃない?
じっと見て覚えるとか、先生の話を聞いて覚えるようにしてみたら?」

と言ってみました。



すると11月に入って、

「先生の話はわかるけど、
先生が黒板に書いた瞬間から、わからなくなるんだよ(泣)」

と言うのです。

声が文字になった瞬間に分からなくなる・・・
なんてディスレクシア的なのでしょう!



そこで、担任の先生に短い手紙を書きました。
※今年の担任は、最初はあまり分かっていませんでしたが、8月に校長を交えて面談する流れになり、「病院も行かない、カミングアウトもしたくないじゃ、こちらもできることができないですよ。診断書持って来て下さいよ。そこに書かれている通りに指導しますから」という校長の無理解に切れた私が「医師は診断はできますが、小学校の指導内容までは分からないと聞いています、やはり子供に合わせた日々の学習指導が一番よくお分かりなのは現場の先生ではないのでしょうか」と校長に啖呵を切った、その一部始終を黙って聞いていたのですが、その後理解に努めようとしてくれています。
ありがとう先生。

・・・話を戻しますと
「いつもありがとうございます。××は、先生の話は分かるけど、板書になった瞬間から分からなくなると申しています。そこで2日間だけノートを取らないように言いました。ご指導をどうかよろしくお願いいたします」
と書いた手紙を持たせました。

子は自分からも先生に「次の社会の時間はノートをとらないでみる」と言ったそうです。



1~2週間後、「どうしてる?」と子供に聞いてみたところ、

「一応ノートを書くようにしてる。周りの友達にいろいろ言われるから。
でも、ムズムズしてきたら、書かないようにしてる。
今日も、このへんで(と、上のノートの真ん中へんを指さして)
ムズムズしてきたから、休んでたの。
そうしたら、先生がぼくにだけ
『無理して書かなくてもいいよ』と言ったの。
ぼくは心の底からうれしかったよ・・・

彼にとって板書は、記憶の定着には全く役立っていない、
それどころか、学習理解を妨げているわけですが、
それでも、友達の目があるから書く、
でも先生に「無理しなくていい」と言われれば嬉しい・・・

なんと複雑な心理なのでしょう。



☆  ☆  ☆


個人的には、いわゆる「きれいな板書」は明治~昭和の風習だと思ってます。
もはや予備校では、昭和時代に標準的だった、
「教師がきれいに黒板に書いて、それを生徒がノートに書き写す」
というタイプの板書は、生徒はついてきませんし、何より時間の無駄です。

コピーがある時代、きれいな板書はプリントを配れば済む話ですし、
板書は、図を書くプロセスが理解に役立つような場面に限定して使うべきで
(英語の構文解釈のプロセスとか、数学の図を考えながら書いていくプロセスとか)

どうせ手を動かすなら、教師の書いたことを写すのではなく、
自分で考えて答案を書くなど、
せっかくの限られた授業時間、他にすべきことがあるはずです。

でも、小学校では、「きれいな板書」を写させる方式がいまだに生き残っているようで・・・

2013-12-11

道村式「漢字カード」はディスレクシア児の漢字学習に絶大な効果があると思います!!

2013-10-01 漢字カードの進捗      の続きです。
9月に道村静江先生の
『口で言えれば漢字は書ける!』を読み、
「この『漢字カード』は、盲学校の子供だけでなく、
ディスレクシアにもいけるのでは?!」と思い、さっそく試して3ヵ月。

途中から、私が翻訳者生活史上最大の奴隷的忙しさを迎え(現在も継続中)
なかなか進捗を書けずにいましたが、
今日は仕事を投げ打って書きましょう!!

道村式(←勝手に名付けてますが)漢字カードは、
ディスレクシアに絶大な効果があると!!


詳しい取り組み方は前の書き込みを読んで頂くとして・・・


この漢字カードは、ディスレクシア教育において効果的とされている
「多感覚式」(multisensory)と呼ばれるもの。
口で漢字の成り立ちを言うことで、漢字を覚えるというものです。
字を実際に書くのは最後、という考え方です。
これなら、字が苦手なディスレクシアでも覚えられるのです。

本来は2~3年から取り組むのが効果的とのことですが、
5年生から始めても問題ありません。

さすがにディスレクシアですので、
一発でばっちり定着☆というわけにはいきません。
おそらく、普通の子よりも何倍かの反復は必要です。4~5回とか…。

でも、定着率は単なる書き取りよりも、圧倒的に良いです。



何より驚いたのは・・・
子供が自主的に、道村式漢字カードを使って、
漢字を自習するようになったのです!!

ディスレクシアだと分かってから、
いえ、字が汚い怠け者だと誤解していた頃から、
漢字学習は子供一人では無理だと思っていました。
私が忙しいときは一人でさせていましたが、
そうすると間違いもいっぱいですし、定着率も低く、
要するに気休めでした。

それが、道村式漢字カードを始めて1ヵ月もしないうちに、

帰宅するなり「おれ漢字やるわ」と言って漢字カードに取り組んだり、

「漢字テストが近いから」と言って自分から漢字カードに取り組んだり、
するようになったのです。

これは本当に本当に、本当~~に驚きでした!!

私の中では、もうこれだけで見返りは十分(T T)
まさか漢字を自分から勉強する日が来るとは思ってませんでした。

そして今日、1週間ほど前の漢字テストが返ってきました。
(なぜこの時期に、10月までのまとめなのかはさておき。)




「う」を「く」と書き間違えたのが唯一のミス。これには本人も苦笑
いつまでたっても、平仮名が苦手です。


「券」とか、ちょっとおまけしてもらってますね・・・


ちょっと採点が甘いです。

でも、この点数が彼にどれほど多くの自信を与えていることか(T T)

なにしろ、2年前の同じ時期↓には半分もできなかったのですから・・・







漢字カードはこちら(点字学習を支援する会)で買えます。
一般の書店にはありません。

道村先生も、ディスレクシアの子に
このカードを使ってほしいと切に願っていらっしゃいますし、
私も、まだ使用実績は3ヵ月ですが、
お答えできることは何でも喜んでお答えします!


2年前のうちの子のような字を書いている一人でも多くの子に、
ぜひ道村式漢字カードを使ってほしいです!!
漢字テストで書ければ、学校生活でポジティブなサイクルに入れます!




2013-11-30

ポールマッカートニーが楽譜が読めないのは(きっと)ディスレクシアだから

と考えていろいろ検証しています。




ポール・マッカートニー公演から10日もたちますが、
いまだに衝撃から立ち直れません。。

当日見たポールは化け物でした。年齢を完全に超越していました。

ポール帰国後は、昔の曲を聞き返しては、
「こんなにすごい曲を作ってたんだ」と、うなる日々が続いています。
今さらポール再発見。衝撃が強すぎます。



ポールが「楽譜が読めない」と言っていたインタビューはこちら↓



4:40ごろ
小倉 
ピアノを弾いたりする時とかも、一切楽譜を自分の前に置いてないですが、
自分がお作りになった曲は、全部自分の頭の中に入っていますか。
ポール
We don't have scores. I couldn't read it anyway. 
(楽譜はないよ。どのみち読めないし)

5:50
ポール
パンパンパパンパン♪・・・you had to remember that. Because if you couldn't remember that ...(出て行けというジェスチャー(笑))"sorry mate, you're out"
(こういう節を覚えないといけなかった。覚えられないやつはクビだよ)


↑話す様子からして、とってもディスレクシア的です!

楽譜が読めない「のに」音楽が書けたのではなく、
楽譜を超越した所に音楽がある、ということなのでしょう・・・。


☆  ☆  ☆


東京ドームでは、泣いている人があっちこっちにいました(自分も含めて)。
The Long and Winding RoadとかSomethingって、こんなにも感動的な歌だったっけ?というくらい涙がどばっと(泣き笑い)。

ものすごい音量と歓声の中、ポールの歌を生で聞いていると、
昔のことがわ~~っと、リアルによみがえってくるのです。
いろんなことがあったけど、それでも人生幸せだったよね・・・と。

これこそが、ディスレクシア文学最大の特徴だと、私は思います。
心の深いところにストレートに入ってきて、直接揺さぶるこの感覚こそが。


あと、生で見て気づきましたが、ポールは天然です!
天然だと分かってから映像を見ると、映像でも天然なのが分かります。

ポールは個人資産1700億円、サーの称号も授かり、
あらゆる金・地位・名誉を手にした人なのに、
スターぶったところがひとかけらもなく、
その発言はとってもお茶目でキュートです。
しかも、youtubeで最近の欧米でのライブ等々のしゃべりを見ると、
欧米では輪をかけてほんわかしているのです。実に天然。

聴衆は感動に打ちひしがれているのに、歌っている本人は意に介していません。
どちらかというと、歌って弾いて楽しいね~!という感じです。

まったく偉ぶらず、楽しいことだけ徹底的に追求する天然ぶりというのは、
年を取ったディスレクシアに、実に典型的だと思います。



☆  ☆  ☆


ポールは、昔から人として感動的だったかというと、そうではなかったと思うのです。
多作だしすごい人だけど、とらえどころがない感じだったと記憶しています。
天才の称号は、むしろジョン・レノン担当だったような。

何しろポールは、30年前の来日では、大麻所持で逮捕されているのですから。。





☆  ☆  ☆


ここからは、私の仮説です。

ディスレクシアの人は、70歳を過ぎてからが、真の人生のスタートである。
ディスレクシアは遅咲きだとは言いますが、
70歳を過ぎてようやく、心身のバランスがとれるのかもしれません。

70歳を超えてなお、持ち前の独創性はいよいよ旺盛だし、
もともと物心ついてこの方、読むのは苦手だし、ある種の記憶が悪いしで、
加齢でちょっとくらい目や記憶力が悪くなったとしても、
対処の仕方はとっくに身についています(笑)
こうして、ディスレクシアの人は、
「70歳の人はこんな感じだろう」という通念を、完全に超越した人になっていくのです。



ポール・マッカートニーは過去半世紀にわたっても十分に超絶ですが、
70歳を超えて、新たな次元に入った。
それは彼のディスレクシア性がなせる技である・・・

と信じているのですが、ディスレクシア推しすぎですかね?!


関連記事
2013-11-12   ポール・マッカートニー「僕は楽譜が読めない」


追記
ポールのおちゃめで天然な雰囲気が最高に出ているPV「Press」(1986)
ロンドンの地下鉄に乗って一般人と交流してます。。









2013-11-22

「なぜ漢字を間違えるのでしょうか?」

以前書いた「漢字テスト」というエントリーにコメントを頂きました。
返事が長くなったので、こちらにのせます・・・

テストに出る漢字なのですが、分かっているのに失点してしまいます。何が原因なのか教えてください。

ディスレクシアの原因は、脳の処理の違いにあり、
脳がどう違うのかも、ディスレクシア一人ひとり、かなり違うようです。

ですので、
「これさえすればディスレクシアを克服!」という特効薬はない、
ということを、まず前提にする必要があります。
脳の違いなので「治る」ものではありませんし(適応することはできますが)、
脳の違い方が一人ひとり違うので、画一的な解決法はありません。
一人ひとり、オーダーメイドの対策が必要です。

そのうえで、お子さんのことを想像してみます。
小学校中学年と仮定してみます。


☆  ☆  ☆


「分かっているのに失点する」というのは、いくつかの原因が考えられると思います。
脳と手がうまく連動していないのかもしれませんし、
記憶していることを想起するのが大変なのかもしれません。
時間のプレッシャーがかかると緊張して実力を発揮できないのかもしれません。

これ以上のことは、ご本人を見てみないとなんとも言えませんし、
また、年齢によって、同じ子でも刻々と状況が変わります。

原因を探る以上に、
書き取りに関しては
字を書くことをスタートではなく、ゴールと位置づける
ことを心がけてみては、いかがでしょうか?

「書き取りはすべての基礎、書き取りの上に他のすべての学習がある」
と考えがちですが、
ディスレクシアの場合、この書き取りが本当に本当に大変なわけです。

そこで、
1) 他の学習を、字を使わない方法で追求する
2) 字を覚えるために、書き取り以外の方法を用いる

ことを、意識してみられてはいかがでしょうか?

1) 他の学習を、字を使わない方法で追求する
たとえば、理科なら実験、社会なら見学や議論など、字を使わない方法で教えます。
字以外の方法で知識を入れ、学校の教科書やテストは知識が入った状態で目にする、という考え方です。


2)字を覚えるために、書き取り以外の方法を用いる
ディスレクシアの場合、他の感覚器官を使うことで、文字が覚えられると言います。
うちでは、iPadアプリ、粘土やブロックで文字を作るなどを経て、
現在では、道村静江先生という方が盲学校用に開発した漢字カードを使っています。
耳で覚えることで、最終的に書けるようになるという考え方にのっとっています。
非常に効果があると感じています。
こちら←に進捗を書いていますのでよろしければ。


☆  ☆  ☆

質問とは直接関係ありませんが、
何よりも大切なのは、「漢字が書けない=バカ」とお子さんを決めつけないことです!
お子さんはバカじゃないので、テストで点が取れないことも自覚して、
すでに十分に傷ついています。
親が学校と一緒になってお子さんを追い詰めることだけは、どうか避けてあげてほしいです。

もしディスレクシア傾向にあるなら、普通の子と違う何かを持っているはずです。
まずは親がそのことを認めて後押しすることです。

かくいううちも2年前、小3の秋は親子共々どん底で、
「普通の子と違う何か」などと言われても「は?」という感じでしたが・・・
「あなたは特別な子」とずーっと言い続けていると(笑)、
子供も次第に自分の違うところを探し始めます。親も子も変わりました。

長くなりましたが、お子さんがハッピーに学校で過ごされることを祈っています。



2013-11-12

ポール・マッカートニー「僕は楽譜が読めない」

祝・ポールマッカートニー来日!
実はわたくし、父(→ディスレクシア)がビートルズの武道館コンサートに行っているようなビートルズマニアの家に育ちました(笑)
I am the Walrusの歌詞に由来すると言われる名前をもらい、
10代の頃はポールマッカートニーの歌で英語を覚えました。
東京公演も父と行ってきます!

そんなポールマッカートニーが来日後のインタビューで、
自分は楽譜が読めない」と言っていたそうです。
(追記:動画を見つけました。こちらの記事に置いておきます)

ポールマッカートニーはディスレクシアかも?と考えて検証してみました。
個人的には、ポールマッカートニーはディスレクシアで間違いないと思ってますが!

☆   ☆   ☆

ポールは楽譜が読めない件については、ずいぶん前から認めています。




ナレーション
1965年には5万5000人を前にアリーナで演奏するロックコンサートを発明したレノン=マッカートニー。彼らは独学であり、誰からも教わらない、天賦の才を持っていたのです。

ポール   …歌うってどういうことか概念としては何も持ってなくて、
       ただ単に歌うことが大好きだった。これまた平凡な答えで(笑)。
       医学的根拠を言えたらいいのだけど…
司会者   (笑いながらさえぎって)
       じゃあ…ビージーズのファルセットはできますか。
ポール   Yaa~♪(ファルセットで歌って)いいえ。
司会者  それに、譜面が読めないんですって?
ポール  ええ(I don't know)。何か問題でも?
司会者  でも驚きですよ。
ポール  みんなの前でこんな告白をしなきゃいけないなんて(笑)…
司会者  史上最も成功したソングライターなのに、楽譜が読めない…
ポール  だって、二人の間では問題なかった、
            ジョンと僕で何をしているか把握している限りは…
      つまり、コードが分かっている限りは。
      二人でメロディを覚えていた。
      だから楽譜を読む必要も、書きとめておく必要も無かった。


と言っています。

同じことが、Paul McCartney: Many Years from Now(p37)にも書いてあります。

「歌詞は書いておき、必要があればコードは書き留めておいたけど、それもあまり構いはしなかった。ただ実際的な目的から、非常に早い時期に二人の間で確立したルールがあった。それは、次の日になったら忘れてしまうような歌は大したことがないということ。作った自分たちが覚えていられなかったら、一般の人たちが覚えていられるはずがないと。
このルールにはこだわった。何年もたって、フィリップスのカセットレコーダーが登場するまではずっと…あれは曲作りに革命を起こした、だって吹き込めばいいだけだから。悪い曲も残ってしまう。
最初のルールが良かったのは、記憶に残るものを書かなければならなかったからで、どちらかが覚えている曲だけが残る。お互いがお互いのテープレコーダーのようなものだった。……
二人とも曲作りをすごく楽しんだ。最終的に二人があれほど強力になったのは、途上の時期にたくさんの曲を作ったからだと思う」




☆   ☆   ☆

英文で検索すると、
ポールはディスレクシア専用の学校の生徒から取材を受けた
という記事がありました。
妻リンダを乳がんで亡くしてから初めて答えた取材らしいです。

BBCの記事の翻訳です。原文は→こちら

ディスレクシア児の学校が新聞賞を受賞


ディスレクシア用の学校の生徒たちが、通常の学校制度のライバルを差し置いて学校新聞賞を受賞した。
ノーザンバーランドのナニーカーク・スクールという、全生徒がディスレクシアの学校の学校新聞が賞を獲得した。この学校新聞には、サー・ポール・マッカートニーやブレア首相へのインタビューを掲載した号がある。
同校の生徒の多くは重度の読み困難がある。このことは、記事の下書きと推敲に多大な労力を必要としたことを意味する。生徒達はワープロのスペルチェック機能とディスレクシア専用の辞書を使ってこれを行った。 
校長のサイモン・ダルビーは、新聞というディスレクシアにとって大きな困難を伴う識字分野のコンテストにおいて、生徒たちが賞を獲得したことをたたえた。 
生徒の多くは読み書き能力で通常より数年遅れている。だからこそ今回の受賞はより一層素晴らしいことだも指摘した。 
この公募大会はニューカッスルのThe Journal紙が主催し、100校以上が参加した。

マッカートニーへのインタビュー
ナニーカーク・スクールの学校新聞はその内容に加え、音声バージョン付きというプレゼンテーションが称賛された。 
サー・ポール・マッカートニーとのインタビューには、ビートルズ結成のいきさつなどが含まれている。 
「僕は学校では余り勉強熱心ではなかった。授業はあまり楽しくなかった。音楽に熱中していたからね。最初の曲は14歳の時に作った。」 
「ジョン・レノンには、リバプールの野外パーティーで出会った。別のバンドで演奏していた彼を見て、そのスタイルが気に入った。話しかけたところ、バンドに入らないかと言われたんだ」



ポール・マッカートニーは抽象画も描くそうです。
後ろの絵は本人画。

この学校、イギリス北部の田園地帯にある、
全校生徒50人ほどの全寮制フリースクール(小中高)で、
生徒は全員ディスレクシアだそうです。
色々うらやましい環境ですがそれはさておき、
なぜこんな小さな学校の学校新聞の取材に、ポールマッカートニーは答えたのだろう・・・?
逆に、普通の学校の取材なら、きっと受けなかったに違いありません。


☆   ☆   ☆


ポール様の曲の素晴らしさについて、ここで延々と語るのは野暮というものです。
ディスレクシア的だなと思う性質だけ、挙げてみます・・・

・ いろんな楽器を弾きこなす。しかも独学で。(ちなみに左利き)
・ ビートルズ時代だけでなく今も、曲が泉のように湧いてくるらしい。
・ 誰の真似もしない。売れなくてもへこまない。独自の存在として50年も第一線で活動。
・ 基本的に、とっても楽天的(だから、底が浅いと誤解されたことも)
・ 目の前に情景が浮かぶような歌詞(ディスレクシア文学の特徴)
・ すべてをあまりに軽々とこなすので見過ごされがちだが、歌唱の表現力もすごい。
曲によって声や発音をかなり自在に変える。南部なまりで歌ったり。
  (要するに音楽の耳が非常~に良い)

・ ひょうきんでお茶目。カメラの前でおどけてみせる。
・ 空気を読むのが抜群にうまい。聴衆の前でも臨機応変な対応が可能。
・ 権威主義でない
・抽象画を描く画家でもある。
・ リンダ(写真家)との間の3人の子供はデザイナー、写真家、ミュージシャンに
・ 年を取るほどに年齢を超越していく。特に発想がまったく老けない。
・今回のツアーで分かる通り、生粋のエンターテイナー!



ジョン・レノンがディスレクシアという説は、ネットでもずいぶん見ることができます。
個人的には、アスペルガーではないかと思っていますが。

一方、ポール・マッカートニーが自身のディスレクシアを認めたという話は出てきません。

でもでも、レノン-マッカートニーがディスレクシア(とアスペルガー)のコンビだったとすれば、ビートルズの独創性は、実に腑に落ちます!

続き:
ポールマッカートニーが楽譜が読めないのは(きっと)ディスレクシアだから


2013-11-11

「ディスレクシアは動物の扱いが上手」

・ディスレクシアは映像で考える点で、馬と思考形式が同じ
・だから、ディスレクシアだと馬(動物一般)の扱いが上手
・体を動かして学ぶのが得意なことも幸いしている

…という、なるほどな話を見つけたので、翻訳してみました。

  
まず、アメリカ・オレゴン州の乗馬学校のブログに、
ディスレクシアと馬の扱いに関するやりとりがありました→原文こちら

動物を扱う才能とディスレクシアとの関係

201068

地元紙が当校の奨学生でディスレクシアの子の記事を掲載したいそうで、火曜にインタビュー予定です。
記者に「ディスレクシアの人は、馬の扱いが特に上手なことが多い」と言ってみたところ、もっと詳しく知りたいとのこと。
そこでみなさんの意見を募集します!

↓       ↓    ↓    ↓
「私はADDなので、言葉よりも先に映像で考えます。
私にとって馬は大いに安らぎを与えてくれる存在です。
というのも、人間よりも馬との方がはるかに、意思疎通がしやすいから

「知り合いに、クリッカーを使った馬のトレーニング方法を習得している最中のADHD15歳の女の子がいますが、状況が似てますね。
彼女も馬や犬を相手にしている時はとっても集中してます!
すごく不思議。だってADHDって長時間集中できないはずでは…?」

「ディスレクシアの人を相手にした限られた個人的経験から言うと、ディスレクシアの人って非常に賢いのが一般的ですよね。
だからこそ馬と一緒にいることを選ぶのも当たり前かも…:-)

「中程度から弱いADDは馬の扱いに役立ってるかも。
人間の心はレーザービームのように焦点を当てる力がありますが、これは馬の制御に必要な全方位的注意力の邪魔になるのです
馬は自身と周辺環境を、航空管制のレーダーのように常時スキャンしています。人間もそれを真似できれば、馬をより正しく支配できるでしょう。人間が何か一つのことに集中し過ぎると、他に注意しなければならないたくさんのことが意識から抜けてしまうのです。ちなみに私はディスグラフィアでADDです」

「イギリスにリチャード・マックスウェルという、ディスレクシアの馬の調教師がいます。彼はブログに、ものを書く時は奥さんに書き取ってもらう、ディスレクシアがひどくてからかわれるから、と書いています」

「処理速度が遅いので忍耐力が強く、またタスクを細かく分けることができるのかもしれません。または、(映像思考のため)ボディランゲージを読む能力が高いのかもしれません。ミラーニューロンも関係しているのかもしれませんが、よくわかりません。とても面白い話題なので、分かったことがあったら是非シェアして下さい」

「私の娘は2週間前、ディスレクシアの診断を下されました。彼女は動物の扱いが以前からうまく、犬の訓練講座に通っています…まだ7歳なのですが。今年の夏は動物訓練のキャンプに通う予定です」

「なんて面白い話題なのでしょう。娘に意見を聞いてみました。
彼女は知覚処理に困難があると同時に、乗馬療育のアシスタントインストラクターを務めています。そんな彼女によると:
『もちろん。ディスレクシアなどの感覚処理障害の人は動物と親和性があることが多いと、しょっちゅう気づいていた。
その理由の一つはおそらく、ディスレクシアは映像で考えるからだろう。つまり、言語で考える人よりも本当に“馬のように考える ことができる。
もう一つの理由は、ディスレクシアだと感覚刺激により敏感なことが多いように見受けられる点。感覚に敏感なため、動物が気づくようなこと…背景に流れる音や視覚的に気をそらす物体など…に気づくことができるのだろう。
さらにもう一つ、これは世界共通でないかもしれないが、ディスレクシアだと音声言語/聴覚処理が普通の人とは違う働き方をする分、ボディランゲージにより多く注意を払うのではないかと思うが、この点も関係している気がする。』」

「一直線の思考vs横道思考ですかね。どうやら線形思考の問題はこれまで思われていたより奥が深いのかも」

「個人的にこの件について調べたことがあります。
映像型・空間思考能力と関係があると思います。そこにディスレクシアも関係しているかもしれません。馬は映像型・空間思考型ですが、われわれの文化はそのような思考方法を無視しています。
私はスポイルしていない馬を200頭以上と、従来型の訓練を受けさせた馬も多少飼っていますが、両者の違いは非常に大きい。映像で考えるタイプの人は、思考方法が馬に近いと言えます。聴覚型・線形思考型の学習者はパターンを教えようとしたり、プレッシャーと解放の連続で教え込もうとします。本当はこの方法は馬には無意味です、時にはその行動を上手にこなすこともありますが(後略)」

「正しいと思います。ディスレクシアの人と接した経験から、ディスレクシアと動物の扱いの上手さとの関係には私も気づいていました」

「私も同じことに気づきました…
馬の脳は線形的ではなく、物事を異なった風に秩序立てる傾向があります。
ただ私の観察は科学的とはほど遠いですが。
通常の線形思考は馬には通用しないのです。馬は線形思考はしないのです。
調馬の問題点は、線形的な体系を作り、それを線形的でない存在に当てはめる点にあります。馬は直線的ではなく円形で考えます。
面白い話題で誰かが研究すべきと思いますが、どこかで書かれていたとしても読んだことはありません。」

「学校時代、ディスレクシアの友達がいました。
読解や綴りなどは大変そうでしたが、実習は本当に得意でした。
そのようなアプローチの違いが、馬の扱いの上手さにつながっているのかもしれません。」


~~~~

取材の結果、次のような記事になりました。
途中から訳しました。原文はこちら


馬と一緒のとき、ディスレクシアは才能となる

Bend Bulletin(米オレゴン州の地方紙)、2010615
…「クロエはすぐに、サンデー(馬)を本のように読めるようになった」とインストラクターは言う。
ちょうどそのとき、サンデーが前足で泥を蹴り始めた。「退屈なのね。私が相手をしてあげる」。馬と目を合わせ、首をなでながらクロエは言った。
クロエがポニーについて最も驚いたのは、人間に非常に似ていたことだという。「馬も人間と同じように怖がるし、安心したいし、好かれたいのです」。
クロエがサンデーを手綱で引きながら場内を一周する様子を、祖母のジニーは眼を細めて眺めていた。両親が共働きのため、この2年間、週2回、農場への車での送り迎えを担当した。
「私にとっても孫にとっても、そのかいが十分にありました。クロエは実際に手を動かして学ぶタイプなんです。彼女はここでポニーから勇気、自信、思いやりを身につけました。彼女は馬と心を通わせているのです」。
クロエはディスレクシアのため、祖母によると文字や記号、数に困難を覚えるという。だが馬とのコミュニケーションは非常に上手だと、祖母もインストラクターも感じている。科学的証拠はないが、インストラクターがブログにディスレクシアと馬の扱いについての質問を書き込んだところ、数多くの人から返答が寄せられた。それによると、ディスレクシアやADDの人は映像思考型のため、「馬のように考える」ことができるように見受けられるという。
「ほかの分野では学習障害と呼ばれるものが、ここでは才能なのです」
訓練場で、クロエはサンデーの背中の上に大の字に寝そべって見せた。小さくておてんばだが、確固たる自信が感じられる。いつの日か、子供時代に熱中したことが将来の仕事につながるかもしれない。「馬と仕事している将来の自分が見える。競争馬に乗っているかもしれないし、馬の獣医になっているかもしれない」。
と同時に、馬に関する最大の目標は、馬を誰よりも上手に乗りこなすことでない。
「私は馬に好かれたいです」。



2013-11-08

NASAが開発したディスレクシア治療用体操

・宇宙飛行士は宇宙に滞在すると、一時的にディスレクシアになる

・これは、(言語野ではなく)小脳の神経が乱され、協調運動に問題が生じるのが原因

・協調運動を高める体操は、ディスレクシアに効果がある


という内容の記事を見つけたので、訳してみました。

NASAが開発したディスレクシア治療用体操

英Daily Mail紙、原文はこちら

ディスレクシアの子供たちが、宇宙飛行士のために考案されたエクササイズによって、読み書き能力を大幅に向上させている。

この方法は科学的に実証されたものではない。だが専門家は、「字盲」とも呼ばれる何千人もの人生を変える鍵になるかもしれないと言う。

この治療法のパイオニアとなった民間のクリニックでは、参加した子供たちの97%が、3ヶ月後に「大幅な」成果を示したという。

現在、このプログラムはエクセター大学のディスレクシア研究者、デイビッド・レイノルド(David Reynolds)教授による第三者評価が行われている最中である。

「すでに100人の患者が完了しており、私たちはそれについて非常に興奮している。私はこの背後にある科学を評価する予定だ」

ディスレクシアは人口の10%に存在すると言われ、4%は重度だとも言われる。今回のエクササイズはNASAが開発した。宇宙飛行士は一時的なディスレクシアに陥る(長期間にわたり無重力を経験することがその原因と考えられている)が、これに対処するためのものだ。

宇宙に一定期間滞在すると、小脳にあるシナプスのリンク(神経細胞同士をつなぐ橋)が乱される。小脳は協調運動をつかさどる脳の部位だ。

これまで、ディスレクシアを理解しようとしてきた研究者は、大脳皮質に存在する高度に発達した言語野に注目してきた。
だが今回の研究は、ディスレクシアが小脳と関係があることを示唆している。

NASAは無重力が引き起こす問題の性質を突き止めるため、宇宙飛行士にバランス計測器を装着した。この機械は、眼球が物体を追う動きもモニタリングする。ディスレクシアはページに書かれた文字を追うのに困難を覚えるが、眼球運動はこの点に重要な役割を担うと考えられている。

イギリス、ウォリックシャー州ケニルワースにある民間施設の「ディスレクシア、ディスプラクシア、注意治療センター」では、この10万ポンド(約1,600万円)の機械を使って、子供のスクリーニングを行っている。

スクリーニングの結果に応じて、協調運動と眼球運動を改善するための5つのエクササイズが処方される。クッションの上に片足で立ち、一方の手からもう片方の手へと後ろ手で物を渡しながら、九九を唱える、などだ。


・・・・

Daily Mailというのは、どうやら日本における東スポみたいな位置づけらしいので、
裏をとろうと思っていろいろ調べていたところ・・・
この記事と似た記事が高級紙The Atlanticにもありました。
よって、内容は本当のようです。
でも、この記事はなんと2002年のものでした ( ̄□ ̄;

NASAが何か発表していないかと、検索してみましたが、特に見つかりませんでした。

ただ、ちょっと面白い噂を見つけました。

NASA職員の50%以上はディスレクシア。彼らは素晴らしい問題解決能力と非常に高い3D/空間把握能力を持つことから、あえて求められ採用されている
という説が、ネットで出回っていて、
この50%という数字をNASA職員がツイッターで否定し、
「でもNASAのディスレクシア職員はスーパー賢い」
とツイートした、というのです。
https://twitter.com/NASApeople/status/236144765098409984

宇宙開発とディスレクシアには、意外なつながりがあるわけですね。。


2013-11-01

口で言えればアルファベットも書ける?!


フォニックスを開始してから初めて、アルファベットを書かせてみました。


「g」を「どこから書いたらいいの?」と言いながら、

6や9風のものをぐるぐる書いていたので、

もしかしたらアルファベットも、口で言えれば書けるかもしれない・・・と思い、

「9を書いて、下をくるっとさせるんだよ」と言ったら、

上の写真のように書けました!


口で言えればアルファベットも書ける!きっと。



--
そういえば、ジョリーフォニックスのテキストでも、書き方を口で言ってます。
ただし英語でですが。

「g」だと、
点から始めて、cと同じように丸を書き、最初のところに戻って、
下に伸ばして、しっぽをつける。

と、タッチペンでgをさわると言ってくれます。

これを日本語にアレンジして言ったらいいのでしょうか・・・?


---
続き
ジョリーフォニックスその4・例外を使って規則を定着させる

2013-10-28

ジョリーフォニックスその2・「音→動作→文字」の回路をつくる

「ジョリーフォニックスを試してみる・その1」の続きです。

ジョリーフォニックスは、8月末から始め、週1~2回行っています。
2ヵ月で14の音を教えました。


ここまでのところ、子はかなり積極的に取り組んでくれています。

もっと速いペースで進めたいのですが、
漢字カードもあるし他の勉強もあるので、
現時点ではこれが精一杯です。

家庭教師やそろばんと同じように、曜日と時間を決めてやっています。
「木曜の5時半からはLet's Study Englishだよね」というふうに。
(それ以外にも毎日、何かと単語や表現は言わせています。)


現時点では、
○音を聞いて、対応する文字を選ぶ
○文字を見て、対応する音を言う
ことができます。
×音を聞いて、対応する文字を書く
ことはできません。

タッチペンで、tから始まる語にタッチすると、単語を読み上げてくれます。
(tennis racketとか)
左下にはaction(音と関連づける動作)があります。
tの場合は、「テニスの試合を見ているときのように、首を左右に振りながら、tと言う」
この動作をしたり、大きく空書きしたりしながら、音と文字を覚えます。

文字の音を覚えたら、短い単語を読んでもらいます。
まだ瞬時には読めません。
「c(正解)・・・えーと・・・u(正解)、t(正解)、(c、u、t、合わせて?)・・・cut(正解)くらいのペースです。
子音+母音+子音が言いやすいですが、少しずつそうでないものも入れていきます。
子音+子音は、ノンネイティブのディスレクシアが初見で読むのは、かなり難しいです。
言ってあげても、音を真似するのに苦労しています。

「rocket」という音を聞かせて、作らせてみました。
こちらが作ったものを読み上げてもらうより、かなり難しいです。
本人によると「これを書く?ムリムリ」。

bとdはやっぱり難関。これだけは消しゴム版画で彫ってみました。
この直後に彼は親指をちょっと切りました(;゚△゚)
しかし、そのことがdのループの向きの定着にちょっと役立ちました。


気づいた点を3つほど・・・

1.
フォニックスと言うからには、
それなりに正しい英語の発音を定着させるべきだろうと思うのですが、
子は、a(antのa)とu(umbrellaのu)、rとlなどの区別にかなり苦労しています。
特にrとlは「聞いても違いが分からない」と言います。

rとlが正しく言える臨界期(9~10歳とも言われます)を過ぎてしまったからなのか、
それともディスレクシアだからなのか・・・はよくわかりません。
個人的には、後者のように見えます。
日本語に引きずられてはいないものの、聞き分けにくいように見えます。

(もともと、日本語でも聞き間違い・言い間違いがかなり多いです。)

これが「音韻認識が不足している」ということなのかもしれません?

2.
まぎらわしい文字が増えてくると、やはり思い出すのが大変になります。
bとd、rとl、oとu、nとmがごっちゃになるので、
定着をはかるためにも、ペースを落としました。


3.
音と文字の間に「動作」を入れて覚えるのが、
ジョリーフォニックスの大きな特徴です。
そして、ディスレクシア的には、この「動作」こそが、
非常に重要な「想起のカギ」になっているようです。

文字を見ても「なんだっけ・・・」というときに、
動作を示してあげると「ああ!」とすぐに思い出したり、
文字を見て「それはこれだから・・・」と動作をしてから、音を思い出したり、
音を聞いて、動作をしてから、文字を選んだりしています。



http://www.amara.org/ja/videos/jcOCL1aVIIi5/info/today-tonight-jolly-phonics-at-osullivans-beach-school/


山下先生のブログで紹介されていたTV特集に、字幕をつけてみました。
ジョリーフォニックスをオーストラリアの学力不振校に導入したところ、特にディスレクシアの子に目覚ましい効果をあげた!という話です。

1:00-03あたりで、ディスレクシアの男の子が
「綴りを思い出せないときは、音を思い出すと、動作を思い出すことができる
(そうして綴りを思い出せる)」
と言っています。
この点が、ノンネイティブの子でもまったく同じなので、びっくりしました。
ディスレクシアには、この「音→動作→文字」という回路が、
まずは必要みたいです。

#それにしても、この動画に登場するディスレクシアの子供たちの、
分かる喜びでぴっかぴかに輝いている様子(特に5:09-)は感動的です!!


続き
口で言えればアルファベットも書ける?!






2013-10-22

のび太はきっとディスレクシア/藤子・F・不二雄の字を検証

13/10/21、NHK「プロフェッショナル」で、藤子・F・不二雄を特集していました。

ディスレクシアの証拠を求めて、子供と食い入るように見ました(笑)


藤子・F・不二雄は「のび太は僕だ」と明言していました。
番組では、病弱で学校を休みがちで、
ひとりで絵を描いていた小学校時代を引き合いに出して、
「孤独な点がのび太に重なる」と言っていましたが。
いえいえ違うでしょう!

のび太はディスレクシアなのです。
字は苦手で、学校の勉強はできないけれど、
好奇心がめちゃくちゃ旺盛で独創的な子です。
そういう点で「のび太は僕」なのです。


画面に藤子・F・不二雄の肉筆が登場したら、iPadで撮りまくりました。
番組終了後、1枚1枚検証してみました。




下から5行目、「呼ぶ」が「読ぶ」になっています



「作」が違う!と思いましたが、
これは書き順が違うだけですね。

縮小

晩年のメモとのこと。あんなにきれいな画風の人の字とは思えません。
左右どちらに曲がるかの判断がつらそうに見えます

私には、この独特な字体がすでにディスレクシアの典型のひとつのように見えます。

ドラえもんはディスレクシア文学の最高峰、とここで宣言しちゃいます!


関連記事:
のび太はディスレクシア(かも)

のび太は(きっと)ディスレクシア



追記

この記事を書いたあと、子が「これ見て~」と言ってきました。












2013-10-18

LD学会3日目

LD学会は、この世界で活発に発言している研究者が全員集合し、
さらには、熱心な教員(特別支援関係の方が中心?)、行政関係者も集って、大変な熱気でした。
自主シンポジウムは、満席で会場に入れないこともしばしばでした。

いまいちな発表もありましたが、
この人は!と思う人もたくさん目の当たりにすることができました。
気づき力の超絶な教師、
心ある行政職、特に教育委員会や文科省などの要職にあって心ある人、
そんな行政職の人を動かせる研究者やNPOの人、
自分自身の発達障害の傾向を自覚する研究者や実践家、
LD児の保護者という立場も持つ研究者、、などなど・・・
一流の研究者は人を動かす力を持ち、また人が集まってくることも分かりました。

そんな熱気を感じる一方で、
じゃあ、来週会うディスレクシアの子に、どうやって教えたらいいの?
ということの具体的な答え、特に教科指導に関することについては、
答えをガツンと提示できる人はほとんどいない、
ということも分かりました。
受験英語に関しては、まったくいない、と言って差し支えないでしょう。

あと、今回のLD学会ではASD(=自閉症スペクトラム。アスペルガーはこう呼ぶようになったようです)やADHDが、LDに並ぶレベルで取り上げられていました。
私は、LDとは主にディスレクシアのことだと思っていたのですが…。


☆  ☆  ☆


道村先生にも直接お目にかかりました。
本から予想された通りのスーパーティーチャー!
ポジティブな押しの強さが素晴らしいです。

もし道村先生がうちの子の担任だったら、
きっと漢字学習がだいぶ楽になっていたに違いありません(T T)
こういう先生がもっともっと増えてほしい!

「盲学校にも発達障害の子はたくさんいた。
そういう子にも、『これを覚えるしかないんだから』と、
相当厳しく、頑張って覚えさせてきた。
とにかく字を覚えないことには、自立はないのだから。
そういう部分が発達障害教育でもあっていいのかもと思う。
今は厳しい指導は流行らない、「ありのままを受け入れて」が主流だけれど・・・」
という趣旨のことを、非常に言いにくそうに、話されていました。

いや、いいと思いますよ!ポジティブな押しの強い指導。
子供の将来の姿を見据えた上で、生徒に本気で関わる、
そんな押しの強さは、生徒に絶対伝わります!
体罰や管理教育とは違うと、生徒はちゃんと分かります。
生徒も保護者も、そういう指導を待ち望んでいます。

ちなみに、盲学校では教師:生徒は1:2だそうです。
このくらいが、字が苦手な子に徹底的に字を教える際の、
人数的限界かもしれません。


☆  ☆  ☆


自分自身が今後どのような方向で、
ディスレクシア教育について考え実践していくかについても、
いろいろと考えるところがありました。
この問題は、脳科学でも、教育学でも、
特別支援教育でも、心理学でもない方向からも、
切り込んでいく必要があるのではないか?
などという大それたことを考えています。





2013-10-14

LD学会2日目

バーゲン会場のような人出!3000人は来場しているとのこと。

今日も印象的な言葉を書いておきます。



日本におけるディスレクシア英語指導法研究は、まだこれから。

→そういうことらしいです。
個々の教員・講師が手探りで個別対応しているにとどまっており、
日本語ネイティブへのディスレクシア英語指導研究は、
小・中・高どのレベルにおいても、まだまとまったものはないようです。
私が知らないだけじゃなかったとは!


ディスレクシアの子が中~高の英語学習で直面する困難さから逆算すると、
小学校の外国語指導では「音韻認識」※を積極的に教えるべき。
(※音をつなげて語にする・語を分解して音にする)
文字を教えるのは後回しでいい。

でも、音韻認識という概念がまだ教育現場に浸透していない。
(私も試行錯誤中です…)


一方で、
単語を部品(stem)に分けて教えると入る、
本人の希望進路・興味がある分野に関係する語彙から教えるとすとんと入る子もいる、
電子辞書やSiri(音声入力)をどんどん使うべき、
という指摘もありました。




大学入試センター試験で、発達障害・学習障害の生徒を対象に、
1.3倍の時間延長が認められるようになった。
ただし、医師の診断書と、在籍高校の意見書が必要。

→現在、高校が意見書を作成するためのベースとなる、
「高校生向けLDスクリーニング」を開発中なのだそうです。

その素案に対し、当事者という青年が質問に立ち、
「自分のできなさの感覚とずれている」といった趣旨の発言をしていました。
また、別の人から「高校生になると、いろんな問題が混ざってくる」という意見も出ていました。

私は・・・ディスレクシアかもと思う生徒達を思い浮かべながら、聞いていました。
「なんか英語が読めなくてつらい」と感じているあの生徒たちは、
スクリーニングを受けたいと思うだろうか?と。
何か、よほどうまい説得方法が必要な気がします。
高校生にもなれば、「苦手を隠したい」「何らかの方法で苦手をカバーできるなら検査は回避したい」「その検査は就活に不利にならないのか」くらいのことは考えるでしょう。
「受験勉強で忙しくてそんな検査を受けているひまはない」
「自分は単なる努力不足であって学習障害ではない」
と言い張る子もいそうです。
確かに、小学生のように素直にはいかなさそうです。

また、私の生徒には「隠れディスレクシア」、
つまり高度な推測力で字の苦手をカバーしていそうな子がかなりいます。
(この言葉はLD界ではあまり知られていない概念のようです。)
そういう子たちは、この検査に引っかからないだろうとも思いました。
もし配慮を受けられれば、1~2ランク上の大学に入れるでしょうが・・・

あと、小学生の頃からディスレクシア的特性を踏まえた学習を続けてきた場合も、
この検査に引っかからないかもしれません。




高校生向けの簡便なディスレクシア検査によって、
ディスレクシアだと明らかになる人もいるとは思います。が、
やっぱり小学生とは違って高校生に関しては、
検査がディスレクシアを洗い出す唯一の手段だと期待してはいけないと思います。

(検査を絶対視する傾向は検査作成者よりもむしろ、教師や親に多そうです。)






2013-10-13

LD学会1日目

この三連休は、日本LD学会に潜入しています!
(ちなみに、9000円を払えば誰でも会場内に入れます。
私は、所属欄が空白の名札で潜入してます。)

本日は偉い先生方の講演のみ。
印象的な言葉をまとめておきます。



「特別支援教育という味付けにより、教育が変わりつつある。
予想を越える大きな変革を、教育全体に及ぼしつつあるのかもしれない」
(大会会長講演より)

→ちょっと驚きました。
私にとっては、ディスレクシア問題は最初からずっと、
「子の学力不振をどうするか」ではなく、
「教育や社会をどう変えるべきか」という問題でした。
野心的すぎるかもしれませんが。

実は、教育学者や教員にとって、
教育の前提を疑うのは一番難しいことかもしれません。
自分たちの存在理由を否定することになりかねないので。



「LD学会は教師・親・専門家の団体。設立当初から親を入れてきた。
設立当初は、学術会議?から
『親を入れることは学会のレベルを下げることになる』
という批判もあった。
だが米国では、すべてのLD研究は親が先頭に立ってきた。
親の必死の願いに専門家はどう応えるか。これを忘れてはならない。
だからこそLD学会には必ず親の発表がある」
(理事長講演・上野一彦先生)

→「親を入れることは学会のレベルを下げる」
で一瞬会場がしんとなりました。
でもほんとにそうです。親をなめちゃいけません。

これまでいくつかの研究会に潜入しましたが、
論文の数合わせのような研究、
データをこねくりまわしただけの研究もけっこうありました。

そういう研究に対しては、
「ディスレクシアの子を何だと思ってるんだ」と言いたいです。

ディスレクシア児は論文のためのモルモットではありません。
1年でも1学期でも早く、学校や教師に変わってほしいと切実に願っています。
そんな親の気持ちに応えられない研究はだめです。



「我々(会場にいる研究者・官僚は)は産業化モデルの学校の成功者。
そこを根底から見据えないと、学校を根底から直すことはできない」
(特別講演・Naoko Richters先生)

→ここでも、会場の空気が一瞬しんとなりました。

「教育はどう変わるべきか」を問わず、
ただ「学校の勉強にどうしたらついていけるか」
しか考えないディスレクシア教育は無意味。
上から目線のディスレクシア対応はいらない。
心の底からそう思います。


かつて、学校の目的は均質な国民(納税者や兵士)を作ることでしたが、
「脱産業化」により、学校に求められるものは変わりつつあります。
ディスレクシアの子は、古い学校制度からいち早く「おりる」ことのできた
ラッキーな存在とも言えます。


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ディスレクシア界の主な研究者が全員集合しているので、
明日からの発表も楽しみです。