on dyslexia

ディスレクシア
(読字障害、読み書き障害、失読症、難読症、学習障害、読み書きのLD)について、調べて分かったこと/実践したこと/英語から訳した文章をアップしています。

ディスレクシアとは:
- 
知能は普通だが、読み書きが苦手(誤字が多い、読み書きが遅い、読み間違いが多い)
- 独創的で、対人能力が高い。空間把握力、全体像や物事の関係性を把握する能力に長ける。
- 音と文字の脳内での結びつきが弱いことから起こるらしい
- 読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい
- 細かい聞き間違いがみられるが、音声情報の処理能力は高い
- エピソード記憶が得意。固有名詞などの細かい丸暗記は苦手
- 適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される
- 10人に1人程度いるというのが通説

当ブログは、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能である、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要--という立場です。


2016-09-21

「読み書き困難の子への英語の教え方をシェアする指導者の会」第2回を行いました。

さる9/13に、
「読み書き困難の子への英語の教え方をシェアする指導者の会」の
第2回を行いました。

Maru先生(お教室のHP→)と、保護者の方、2名が発表を行いました。
ありがとうございました!

保護者の方からは、
「アナリティック・フォニックスが致命的なのは(会場笑)、
ダイグラフがまったく入らないこと」
「フォニックスの前に、英語の絵本や音をたくさん聞いていたのが役立った」
という、大変鋭い指摘がありました。

当日出た教材につきまして、以下のフィードバックを頂きました。
I.Y.さん、ありがとうございます:
・verb allは「ジャスト・フォー・キッズ→」というWeb Shopで購入可能。
・マージャンゲームは、「英語と子ども ブログ」で検索すると、トップにヒットするブログの先生に、メールで連絡すると、購入方法を教えてくれます。

この会は、分かっていないことだらけのディスレクシア英語指導について、
うまくいった方法/いかなかった方法を出し合い、シェアしたい、
という意見が講師数名から出て、
まずはできることからと立ち上がったものです。

今回、Maru先生→が、英語に困難を抱えている子への指導にあたり、
講師に必要と思うこと/保護者に必要なことを、まとめて下さりました。
ぜひとも広まるべき内容だと思いますので、以下、許可を得て転載いたします。
(→以下はもじこのコメントです)

☆  ☆  ☆


講師側に必要と思われること

・生徒を日々良く観察すること。英語力だけではなく、性格、長所、短所、どういった事に気分が左右されるのか、他の学力面がどうかなど、観察し全てを書き出して客観的に見てみること。
「観察」。私はこれをエンパシーと呼んでいます。
実に、ディスレクシア指導の(本当はすべての英語指導の)出発点です。

・その子供の優位性はなにか(聴覚・視覚・エピソードなど)のだいたいの見当をつけること。逆に弱い箇所も探してみること。

・保護者とのコミュニケーションを密にとること。親御さんの抱えている悩みも聞くこと。
私の弱い部分(苦笑)。言い訳させてもらうと、そろそろ~入試までは延々と18歳の人生相談が続くようなわたくしの授業スタイルの場合、親御さんの悩みまで真剣に抱えるといろんなことが立ちゆかなくて。。。

・必要であればその子供を既存のクラスから離すことも視野に入れること。
つまり、ディスレクシアだと分かったら、個別指導を検討すべきとのこと。Maru先生のここの部分のエピソードは圧巻でした。必要だと思った指導はすべてするという熱いコミットメント。

・子供に「全て」や「完璧」を求めないこと。総合的に考えてあまり重要ではないところや、捨てられると判断できるところは捨てること。

・間違いを全て指摘するようなことはしないこと。間違えていても「サラッと」流せるようにすること。
→120%同意。受験指導さらには学校教育で最も欠けているものの、どちらにおいても必要なことです。

・自身の信じるべき教授法は持つべきだが、決してそれに固執しないこと。

・その子供に適した「これだ!」という方法に巡り合うまではあの手、この手でやっていくこと。

・以前成功した方法でも今回は適さないかもしれない、という事を忘れないこと。「万能な方法はない」と肝に命じること。
3点には激しく同意するとともに、Maru先生の誠実さを感じました。「きみにはこれが効くと思う」という信念も必要ですが、効果が薄かったら(その可能性も低くない)すぐに別を試す勇気と研究心も必要です。

・クラス内に「間違えてもよい」「間違える事は恥ずかしくない」「全員が得意・不得意がある」という雰囲気を作り上げること。
この部分のMaru先生の話も圧巻でした。「間違いを批判する空気にだけは毅然とNoと言う」という、断固としたものを感じました。かっこよかったです!

・使えるものはなんでも使うこと。

・品詞はしっかりと教えること。
     →もじこ塾夏期講習でつくづく実感したことのひとつ。学習指導要領がアンチ文法に傾いているからこそ、またディスレクシアの子には文法なら理解しやすいからこそ、品詞や文法の知識はしっかり(でも文法用語を教えることが最終目的にならないようにしながら)、教えることが不可欠です。

・適度にテキトーが役に立つ事がある
→Maru先生はこの項目だけ小さく書いていましたが、これは「子供に完璧を求めない」という上の項目に通じる、とても重要なポイントだと思います。


保護者の方が心に留めておいたらどうかと思うこと:

・親御さんの精神的および物理的サポートは必要であるが、親が子に教える場合は適度な距離感や冷静さを保つことが難しいこともある。その際は「外部で教えてもらう」という選択肢を選んだほうが良いこともある。
→この部分には、Maru先生から、以下を追記してほしいとの依頼を受けました。
大事な内容ですので、メールを転載いたします:
「お教室がどのような形態なのか、先生はマニュアルに沿って教えているのかどうか、先生の自己裁量の自由度がどれくらいあるのか、などを見極める必要があります()困難をお持ちのお子さんがお教室を選ばれる場合は先生の指導力以外にも、どれだけそのお子さんに沿った内容の指導が出来、また授業内容をその子の上達具合に応じて臨機応変に変えられるかがとても大切で、結果お子さんの成長に大きく左右するのではないか()やはり外部のお教室を探すにしても親御さんがリサーチする手間は必要になってきますし、大切だと思います」。
もじこのように、予備校でテキストを使わない講師もいます^^

・子供との関係性にもよるが、フォニックスなど親のサポートが大きな助けとなることがある(家での復習など)

・特に何度繰り返しても覚えられない場合は家で「ちょこちょこ」行うのが有効な時もある(勉強という形ではなく)
→ほんとそうですね。現在うちではyoutubeを見たりアイスを食べたりする前に、不規則動詞変化に答えるという関門があります()

・学校がどこまで協力的か非協力的かを冷静に見極める。その中で出来ることを探してみる。

・英語塾などに行っている場合は講師にざっくばらんに相談をしてみる。家では気付かない箇所を講師が把握している場合もある


・焦らない。完璧を求めない。今、この目の前よりは年後を見据えて、基礎(や土台)作りをおろそかにしない(急がば回れ、的な感じ)
      →「その子の将来の姿を想像すること」。
       これは、当ブログに連絡を下さった方第1号が私に教えてくれた、もじこ塾最大の指針です。

☆  ☆  ☆

次回は1/24(火)に行います。
12月頭にはこちら→で募集を開始する予定ですので、ふるってご参加下さい。

「お互いの指導をシェアするという目的はわかりますが、基本的な共通認識(知識)は確認したほうがよいと思う。Constructive Criticismに慣れていない日本では、シェアリングだけで終わり改良にまで結びつけるのは難しいのでは」
「紹介された教材を使ってみる会を行ってほしい」
などの声をいただきました。
確かに・・・場所は手配しますので、どなたか主催して下さい!


2016-08-31

もじこ塾夏期講習終了。ありがとうございました。

足かけ6週間にわたって続いた、もじこ塾16夏期講習は、無事に終了しました。
ご受講された皆様、お疲れ様でした+ありがとうございました。

ご挨拶のメールをお送りしたいのですが、
実際の指導を優先しているため、失礼が続いておりますこと、
なにとぞご容赦下さい。

春期講習とうってかわって、夏期講習は、私にとって、
ディスレクシア英語指導の難しさを実感する場となりました。
もちろん、かなり学習効果があった例もたくさんあったのですが(特に高校生)…

9/14(水)に、夏期講習を振り返って総括する、保護者向け勉強会を行います。
まだ10名ほど空きがありますので、ご興味のある方はどうぞお越し下さい→
満席になりました。ありがとうございます。(16/09/05)

夏期講習中に残しておいたメモの一部を紹介します。
当日はおそらく、下のトピックのいくつかにも触れると思います。
・・・1時間では全然終わらない!
それに、紹介したいことは、まだまだたくさんあります!


・構文はわかったほうがいい。ディスレクシアならなおのこと。
・ジョリーの絶大な効果と、ジョリーが効かないほど音韻認識が弱いケース。
・抱え込んで、子供を守れば守るほど、親は後々つらくなっていく(はず)
・子供に教科指導をするなら、親としてではなく、教師として教えるべき。
・中1ショックに、親が必死になりすぎるのは良くない。
・受講料の話をして「勉強しろ」とあおるのは、あまり良くないよう
・英語という山を登る方法はひとつではない。ディスレクシアならなおさら。受験英語であっても。
・親の「この子はおかしいと思う。なぜなら自分と同じようにできないから」は、実は親の内なる子供が「自分を認めてほしい」と言っているのでは?
・「4技能をバランス良く」と言うが、語学学習において4技能は常にアンバランスなのが正しい姿のはず。"バランス良い学習"信仰に惑わされてはいけない。
・"語学は積み上げ"も、ディスレクシアには当てはまらない部分がある。
・読むのがつらい(まあまあ書ける)ディスレクシアと、書くのがつらい(まあまあ読める)ディスレクシア。受験的にはどちらが大変か?
・寝落ちしてしまうディスレクシアに、どう対処するか。
・bとd、b/d/pは、ディスレクシアにとっては最後まで鬼門。「こんなことも分からないほどバカ」ではないので、そこは大らかに。
・他の病気とディスレクシアの関連性。不思議な持病を持っている子が意外と多い。
・難聴/耳の詰まり、鼻炎/鼻の詰まり、アトピー、グルテン不耐症が読み書き困難に影響を与えているケース。
・過度激動。特に、知能の高いディスレクシアに、過剰に公正さを求める傾向がみられる。
・SNSで交流しているうちに、英語が分かるようになってしまったケース。
・ディスレクシアなりに単語を覚える方法:ジョリーは必須。語根。フレーズから切り出すなど。
・中1で単語が覚えられないことに絶望しすぎてはいけない。英語=単語ではないのだから。
・自閉症(的気質):自分の知的好奇心の赴くままに問いを発し、相手から答えが得られると嬉しい。
・ディスレクシア(的気質):こっそり勝手に工夫して突破口が開けると嬉しい。ただし字に関してだけはそれが効かない。

2016-08-15

明日から、もじこ塾夏期講習の後半が始まります。

残暑お見舞い申し上げます。
お盆期間中、みなさまいかがお過ごしですか。

この2週間、ディスレクシア浪人生の個別指導を毎日続けておりました。

前半にお越し下さった皆様、学習相談にみえられた方、
コメントを下さった方、メールでご質問を下さった方、
いろいろとご連絡が遅れておりまして、申し訳ありません。
順次お答えしていく予定ですが、ここから先、受験シーズンまでは、
もじこは受験生対応が最優先になりますことを、なにとぞご了承下さいm(_ _)m

明日から、もじこ塾夏期講習の後半が始まります。
みなさまとお目にかかれるのを、楽しみにしております。



ここまでの感想を、何点か書いておきます:

☆ ☆ ☆

ディスレクシアな中1を教える難しさ。
ジョリーフォニックスを教えるだけで、かなり楽になる生徒もいますが
フォニックスもあまり覚えられない、覚えたとしても語や文に生かせない、
フレーズも聴き取れない、、、そんな中1の子も何人か来てくれました。
こうした子にとって英語の勉強はとても大変そうで、難しい指導になりました。

きっと、こうした生徒を「音韻認識が非常に弱い」と言うのですね。
おそらく、英語学習には、膨大な時間と手間がかかるだろうと思います。
私が数学に、他の全教科を足した以上の勉強時間を捧げても、
偏差値40台から脱しなかったように。。

こういう子が、「なんで英語をやらないといけないわけ?」と思っている場合、
4日間で教えられることは、残念ながら、かなり少ないです・・・

ただ、そんな子でも、文法の説明にはわりと理解を示すのが印象的でした。

また、逆に言うと、
「フォニックスを教えれば、そのあとが(自分比で)楽になる生徒」とは、
・フレーズを聞くだけで、ざっくりと口真似ができる、
・読字より書字に困難がある(=書くのは大変だが、読むのはまあまあできる)
だと感じました。


~~~


どんな動機であれ、英語に対してやる気があることは、
英語ができるようになるためには、とてもとても大切です。
やる気問題に関しては、もじこ塾に来る中2以上は全員クリアしているので
「中一で英語が超絶に苦手で、なぜ英語をやらなきゃいけないのか分からない子に、どう接したらいい?」
と、彼ら彼女らの意見を聞きました。すると・・・

・親がまだ「転ばぬ先の杖」になろうとしている。∑( ̄0 ̄;(浪人生)
・「どんなに頑張ってもできないこと」ってある。(ノД`)(浪人生)
・あの頃はすべてに反抗していたので、親の言うことなんか聞かなかった(高1)
・一回、英語から少し離れて、ここにあるお菓子でも食べながら話をしたら(高1)
・自分も中1のときはそう思っていた。(何か伝えるとしたら?)「高校生になったらもっと苦労するから頑張るべき」(高1)
・やりたくないなら、しょうがないですよね(中学生)
・自分も「なんで英語やらなきゃいけないのか」と思います(このあと延々議論して納得)(中学生)
・演技不足。それくらい隠せと言いたい( ̄0 ̄(この子とも、このあと延々議論)(中学生)



中1の親御さんのみなさま。
ディスレクシア英語学習はとても大変なので、
本人にやる気がなさそうなら、まだその時が来ていないのだと思います。
親子の温度差を解消するべきです。

「馬を水辺に連れてくることはできても、水を飲ませることはできない」
といみじくも言ったお母様もいました。本当にその通りだと思います。。

~~~

◆検定教科書に沿って教わると、構文をほぼまったく学ばないらしい。
そのことが、ディスレクシア的には、困難をより一層大きくしている。

ここで言う「構文」とは
「英文を読むために必要な英語のセンテンスの構造に関する知識」という意味です。
英検の大問1やセンター大問2のような、文法4択問題を解く能力とは異なります。
もう少し詳しく言えば
語順によって意味が決まる英文というものの、ルールを体系化したもの」です。
駿台の伊藤和夫が完成させたもので、予備校に行けば必ず教わります
(私も教えてます)

構文がわかると、初めて読む文章でも、
辞書さえあれば、根拠をもって読み解くことができます。
構文がわからないと、
英文読解は「単語の羅列を念力でつなげる」作業になってしまいます。

現在、検定教科書では、文法用語をほぼまったく使っていないようです。
そのこと自体はいいのですが
(文法用語をほとんど使わなくても構文は教えられます)
しかし、中学の最初から「単語の羅列を念力でつなげる」ような指導をされては、
英語が使えるようになるはずがありません。

今回、fromを「出身」という意味だと思い込んでいた高1、
isを「です」という意味だと思い込んでいた中学生がいました∑( ̄0 ̄;
I am from Japan.を、
「私・です・出身・日本」に置き換えて、念力でつなぐ読み方は
このレベルならまだしも、もう少し文が複雑になったら必ず破綻します。

「単語の羅列を念力でつなげる」指導は、
ディスレクシアにとってはとりわけ不利です。
なぜなら、単語が覚えられない人種なのですから(苦笑)。

一方、ディスレクシアにとっては、文法は比較的理解しやすい分野です。
ですから、中1の段階から文法を明快に教えてあげることで、
単語暗記の負担を減らすことができると考えられます。

☆  ☆  ☆

◆設問があれば、戦略を立てられるので、
ディスレクシア的には、読みはだいぶ楽になる。

もじこ塾に来る高校生は、例外なく、
夏休みの宿題と称して薄いドリルを持って来ています。

読解や文法問題集*を丸投げされて、「夏休み中に解いてきなさい、休み明けにテストをするから」というのが、日本の高校生の夏の英語体験らしいです。ちょっと悲しい(- -;)
(*4択や書き換え問題がたくさん並んでいるもの。これができても構文は残念ながらわかるとは限りません)

それはさておき、
漠然と英文を読むのでなく、設問を解くことが目標となれば、
ディスレクシア的には「設問さえ解ければいいのですね?!」と、
明確な戦略を立てることが可能になります。
こうなると、ディスレクシア的にも、突破口が見えてきます。

具体的には、
設問文に含まれるキーワードを本文中に探し、
その前後だけを、正確に構文を取りながらじ~っくり読む、
そうすると設問が解ける
というものなのですが、
ディスレクシアだと、こんな虫食い的な読み方でも、
間に書いてあることもだいたいあたるのが不思議なところです。

☆ ☆ ☆

◆目がつらいディスレクシアと、耳がつらいディスレクシアがいる。

「目がつらいディスレクシア」の最も極端なケースは、
「マス目のついた紙に字を書かれると、マス目のほうが目立って読みにくい」
と言った生徒でした。
この生徒は、ペンやチョークの色によっても、見え方に差があると言いました。

一方、今回、トマティスリスニングセンターで紹介された
骨導ヘッドセットを試してもらっているのですが、
何人かの子には、かなりの効果があるように感じています。

これを付けて読むと、自分の声がよく聞こえます。
そして、自分の声を聞いて修正していくのは、
語学学習において正しい発音に至るための近道なのだそうです。

実際、これを付けて読むと、読み間違いが減る子がけっこういます。

最も劇的に効果があるのは、普段から聞こえが悪いことを自覚している子
(片耳が難聴の子や、常に耳が詰まっている感じがすると言う子は、
ひっくり返るような衝撃を受けていました。
「初めて自分の声がクリアに聞こえた!」と)
ですが、そうでもない子でも、読み間違いが減るケースが何人かあります。

一方、イヤホンの感触が嫌だという子、
自分の声がよく聞こえることが嫌だという子、もいました。

この効果については、もう少し試して、またここで報告します。



では、もじこ塾夏期講習の後半が始まります!



2016-07-18

明日から、もじこ塾16夏期講習が始まります。

たくさんのお申し込みを頂き、ありがとうございます。
明日から4週間にわたり、もじこ塾は夏期講習を行います。
みなさまにお会いできるのを、楽しみにしています。

今回、もじこ塾をはじめて知る方が多いので、
この場を借りて、もじこ塾のこれまでについて少しお伝えします。
あわせて、今年の3月以降の記事を、お読み頂けると幸いです。

☆  ☆  ☆

「もじこ塾」は、塾と名乗ってこそいますが、
実態はひとりの講師がこの春に始めた、本当に小さな個別指導企画です。
対象は、読み書きが苦手な子だけに限らせて頂いています。
現在、中1~浪人生が定期的に通っています。

講師であるもじこは、4年前に字が苦手な子への指導実践を始め、
その様子をこのブログに書いてきました。
もじこの主たる職業は、英語の実務翻訳者で(今もです)、
予備校の難関国立大クラスでも教えています(そこでの夏期講習もあります)。

当ブログは、近くは近所から、遠くは文字通り北海道から沖縄まで、
さらには海外からも、当事者・教師・親によるコメントやメールが届き、
それらを取り入れる形で指導実践を深めてきた、不思議な場所です。

これまで、多くの方が、さまざまなコメントを下さりました。
また、もじこ塾を名乗る前の生徒さんからは、本当に多くを学びました。
4年目になり、それなりの授業料を頂いて指導できるところまでまいりました。
いろいろ教えて下さった皆様、本当にありがとうございます。

授業料を頂くというのは、生徒に対しそれだけのコミットメントをする
(ぴったり来る日本語がないですが、あえて言えば"生徒に入れ込む")
ことだと思っています。

英語の読み書きが超絶に苦手なディスレクシアの子は、全生徒の1割とされ、
少し苦手な子も含めると、全生徒の3割はディスレクシアと言われます。
21世紀に入るまで、そのような子がいることさえ、
日本ではほとんど知られていませんでした。
ですので、日本語を母語とするディスレクシアの子への英語の指導方法は
今も、ほとんど何もわかっていないそうです。

いや、そうでもないのです、これが( ̄ー ̄)。
そういう生徒たちに、いま分かっている指導法をすべて使って、
学習の道筋を示したいというのが、もじこ塾の目的のひとつです。

もちろん、魔法のように簡単に読めるようになるわけではありませんが、
アプローチを変えると、それまで全く意味不明だった英語が
だいぶ分かり、そして、少しずつ読めるようになります。
(書けるようになるのは、さらに先になります・・・)
そのことを体感してもらいたいです。

~ ~ ~

春期講習のときに感じたこと。それは
もじこ塾にいらっしゃる中学生の親御さんは、非常に熱心な方ばかりで、
それは大変結構なことだと思うのですが、
子供に与える刺激のすべてをコントロールしようとする親、
また、色々お膳立てしすぎる親も少なくないようで・・・・
そのことで、自分で行動を起こす気がなくなり、
根腐れを起こしているお子さんがけっこういる、ということです。

学年が進むにつれ、親が諦めて(?)支配することをやめると、
生活万事への意欲が出始めるお子さんが多いのです。

親の熱意がなければ、もじこ塾を知ることもないのは、承知していますが
お子さんの力を信じ、任せることも、本当に大切なことです。
ディスレクシアの子のことを、待つ度量が必要です。

お子さんの力を信じて待つこと。
もじこ塾は、そのお手伝いができたらと思っています。
そして、4日間だけですが、英語については一緒に一歩ずつ進んでいきます。
その後のいろんなことへの、助走になれればと思っています。

~ ~ ~

ディスレクシアが重度なほど、あるいは発達凹凸が激しいほど、
普通とは違う、枠におさまらない、強烈な得意を持っています。
それらに気づき、指摘してあげることも、
もじこ塾の重要な役目だと思っています。

実はわたくしも相当、発達凹凸が激しいものでして・・・
そんななか、つい最近気付いてしまったのですが、
私の得意は、「この子はこう言ってもらいたいんだ」ということが見えてしまう点にあるらしいです。
人には108の面があると勝手に思ってるんですが、英語教師である私に見えるのはそのうちの1面だけ、でも、その面にぴたっと照準を合わせれば、その子の心の相当深くまで見えてしまう、、そんなイメージです。
実際、私の個別指導は、人生相談大会になりがちです。学生チューターの頃からずっとそうでした。
おそらく夏期講習も、特に高校生に対しては、そうなると思います。

~ ~ ~

もじこ塾はディスレクシア英語塾ですが、
本人から言ってこない限り、生徒との会話で
「ディスレクシア」という言葉を使うことは、まずありません。
言ってほしそうな流れになった場合は、
「××君タイプの人は~」という言い方をすることが多いです。

高校生以上だと、字の苦手をめぐる"あるある話"で盛り上がることが多いです。

「スペルミスが多いと大変だよね、ほんと良く頑張ってるよね」とだけ言って、あとは普通に質問受けして終わりということもけっこうあります(予備校では主にこうしています。これだけでも男子高校生が涙目になってますが^^)。

英語を読み訳すことを通じて、愛と信頼を教えたい、
英語を書き話すことを通じて、自己解放を教えたいと、
つねづね思っています。

なんのこっちゃという感じですね、、
でも、なかなか言う機会がないので、書いておきます。

~ ~ ~

時間の許す限り、夏期講習での気づきを報告していく予定です。

もじこ塾夏期講習に申し込んで下さった方、当ブログに来て下さる方、
いろいろ教えて下さった方、会場の提供元、
そして生徒のみんなに感謝します。
ありがとうございます。

2016-06-23

もじこ塾が夏期講習を行います。

もじこ塾は、明日から、夏期講習の資料請求の受付を行います。

明日の夕方に、こちら→にご案内をアップします。
受講をご希望の方は、どうぞご覧下さい。

本当にたくさんのお問い合わせを頂いています。
ディスレクシア英語教育の必要性をひしひしと感じています。
困っている方、ぜひいらして下さい。
英語が分かる喜びを一緒に味わいましょう。
でも、どうか無理強いのないようにお願いします。特に中学生の親御さん!
・・・という、相反する思いが渦巻いております^^。

本日、一定の条件を満たした方に、先行申し込みを行いました。
でも、まだ席はたくさんあります。
(メールがはねかえってきた方がいました。
自分がそうだと思う方はご一報下さい)

多くの生徒さんにお目にかかれるのを、楽しみにしています。
(その前に、今週の日曜は新潟でセミナーとオフ会があります!→
お越しの皆様、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m)

春期講習の感想をご紹介します。
すでにご紹介したものはこちら→、こちらも→

☆  ☆  ☆

春期講習では大変お世話になりました。新学期が始まり、息子は提出物・課題の期限に追われています。わかっているのに、準備が遅れる。いつもの学校生活が始まりました。本人は春期講習の感想はブログに書き込もうかな、と言っておりますが、スイッチがはいるまで行動が遅いです。今しばらくお待ち下さい~m(__)m。

保護者から見ての感想です。以前メールでも書きましたが、ある程度英語は理解できている(まったく自分なりの戦略だけど)と思うのだけど、学校の評価が大変低い。やっぱり英語はできないのだろうか、どうやって勉強すればよいのだろうかと自信がもてないところを、もじこ先生に理解できている部分をはっきり指摘していただけたことは、本人にとって自信になり、大変良かったのではないかと感じています。学校では点数から離れたところでの評価を頂ける機会はほぼ無いですから。
口頭での和訳も、頭の中で文章を組み立てることは苦手なはずなのに、結構できた、と聞いて驚きました。頭の中でイメージできていることは、比較的言葉にし易いのだと、本人から聞いたことがあります。そういう事なのでしょうか。口頭で訳することは、書くことに比べるとずっと楽だそうです。学習を進めていくヒントを頂いたように思います。
視写は大変ハードなようです。ノートや課題の制作をパソコンを使うよう移行しているところなので余計にきついのかもしれません。これをすると、こんな良いことがある!と明確な目標を持てると変わってくるかもしれませんね。

春期講習では英語をみていただきましたが、頂いた学習のヒントは苦戦している他の教科にも生かされてくると思います。あっという間の4日間の講習でしたが、学んだことをその後の学習に持続していかれるように応援をしていくつもりです。ありがとうございました。(高校生のお母様)



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本当に××はよくがんばりました。疲れていても、朝早くても通いきりました。一度も嫌だな〜行きたくないな〜と言いませんでした。東京に行くという事も相まって、こころなしか楽しそうに見えました。
また、「ディスレクシアの生徒のための」というところが、彼の気持ちを多少楽にしていたように感じました(それでも過去のテスト答案を持って行く事はかたくなに拒否されました)。そして、もじこ先生を信頼していい人と早くに認識していたようでした。
中学生の彼だったら絶対に行けなかった!このタイミングで受講できたことは、本当に幸運でした。
ただ、私が思っていた以上に読み書きの苦労は存在し、そこははっきりと現実を見たという思いはあります。そして中学時代の彼の辛さを本当にはわかってあげていなかったのだなとも思いました。
今回の講習で覚えたジョリーの読みが新学期から実感できればと願っています。
(高校生のお母様)

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ありがとうございました!!
初日は先生なので怖い方かと思って行ってみたらとてもいい人で安心しました。
二日目は独特の教え方があったようで、少しは成長したと思います。
たった3日間だったのが残念です。
また英語を教えて下さる機会があったら、ぜひ参加したいです。
ありがとうございました。
(中2)

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春期講習ありがとうございました。ぼくは、英語があまり好きではなかったけど、先生に教えてもらって少し英語が楽しくなりました。先生の教え方がおもしろかったです。東京は遠いので、また来れるかわからないけど、中学校のテストでいい点がとれるように頑張ります。
(中1)

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もじこ先生

春休みの授業、本当にありがとうございました。
関係詞のことをいちから一つ一つ丁寧に教えてもらえたから
今までちんぷんかんぷんだった関係詞がわかりました。
 
春休み明けの実力テストに関係詞が出たのですが、もじこ先生が「whichは先行詞がものでSかOがないときに使う」といったように細かく教えてくれたので、テスト中もあせらずしっかり考えることができました。
でもやっぱりwhatの使い方などいくつか忘れてしまっているものもありました。
だから時間があれば先生ともっと一緒に問題を解いて知識を定着させたかったです。

また日頃の英単語の覚え方や集 中力の持続が難しい私に、雨の音を聞きながらしたら集中力が保つよ、
とたくさんのアドバイスをもらえてうれしかったです。

今までもじこ先生のように私のことを理解してくれる大人が家族以外にいなかったので
休憩中の話もすごく楽しかったです。

また夏休みに先生の授業を受けに行きたいと思っています。
現代文の本もありがとうございました。
2年生になってからすごく忙しくなってまだ読めていませんが、これから読みます。
本当にありがとうございました。

もじこ先生の役にたつかわかりませんが、実力テストの画像も送ります。
平均点の37点を越えることができまし た。
でも恥ずかしいのでこれはみんなに見せないでください。
(高2)
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もじこ先生と会って.
ママとオーラがそっくりだと思いました。
反応や喋り方がにています。

××女子大の入試問題を解いて。
長文の良いとき方を教えてもらいました。1つまえの文章から読みます。すごく簡単にできました。
単語覚えるとき語源から教えてもらいました。それでいくつかの単語を覚えました。
help のあとのo,c,
whileのあと反対の言葉
in のあと名詞
文法がよくわかりました。
××女子大は素敵な問題を出すなと思いました。

教室から帰りたくありませんでした。家にもじこがいるといいなと思いました。

最近長文がどんな内容かワクワクしながら読んでいます。
本命の大学の長文も解いてみました。15問中12問できました。
内容がわかると英語を読むのは楽しいです。
(高3)

☆  ☆  ☆

もじこ塾にはわずかですが、奨学金制度があります。
(ご寄付を下さった方、ありがとうございます!!)
ディスレクシアだと気付いてしまったけど親に言えない、言ってもわかってもらえないだろうと思う、でも、もうちょっと勉強を続けたい・・・そんな人が対象です。
ここをご覧の中高生・大学受験生の方で、奨学金での夏期講習受講を希望される方がいらしたら、申し込み時に「奨学金希望」とお知らせ下さい。

2016-06-16

【翻訳】ディスレクシアの子の音韻認識の育て方

homeschooling with dyslexia(ホームスクーリング・ウィズ・ディスレクシア)
というサイトの翻訳を呼びかけたところ、
音韻認識の教え方と、サイトワードの訳し方の記事を、
「まるはな」さんが訳して下さいました!
ありがとうございます!

音韻認識・・・先日横浜で行われた
「アジア太平洋ディスレクシア・フェスティバル」のシンポジウムでも、
「フォニックス以前の問題として、オトをとらえることのできない子がいる。
多感覚法もフォニックスも効果がない、音韻認識が弱い子たち。
日本ではディスレクシア英語指導法は皆目分かっていない、実態も分かっていない。
こうした音韻認識が弱い子たちへの指導法に至っては、まったく分からない」
と断言されていました。

個人的には、英語についてはざっくりした音韻認識を責めすぎずに、
"言葉の音楽"を重視して、どんどん先に進むべきだと思っていますが、
ことはそんなに簡単ではないのでしょう・・・?

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ディスレクシアの子への音韻認識の教え方
原文はこちら→

●音韻認識の教え方
ディスレクシアがあってもなくても
音韻認識を学ぶことは、読みの学習の基礎となる。

●音韻認識とは
言葉が小さな音の集まりであることの認識のみならず、
音をバラバラにしたり、入れ替えたりできることを意味する。

●音韻認識の重要性
〇音韻認識は読みの学習が成功するかどうかの指標になるもの
〇音を分割したり合成したりすることは、
文字を音にする能力や読んでいるものを理解する能力を高める。
〇また、フォニックスは音韻認識の上に成り立つ

話し言葉での音を理解できて、それを操作できるのならば、
書き言葉でも同じようにできる準備が整ったということだ。


●音韻認識を調べる
以下のようにして子供の音韻認識のレベルを調べることができる
①お手本の語と同じ音で終わる語のリストを作らせる
②例示した語を、初めの音、真ん中の音、終わりの音に分けさせる
③語の中にある音節の数を数えさせる

以上の3つのことが自信をもってできれば
フォニックスへの準備ができているということ。

●音韻認識を教えるヒント
ゲームのように楽しくやること
1日10分でいいので毎日やること
○子供が嫌がったらやめること
○ディスレクシアの傾向のある子はこの練習に時間がかかることがある。
1年かかることも珍しくない。
○音や語は、子供が聞く必要のある回数繰り返すこと
○折に触れて音で遊べる方法を探すこと

●音韻認識の教え方
○韻
音韻認識を教えるもっとも簡単な方法には、韻を踏む言葉を使うものがある。ゲームのように楽しくやること。子供が嫌だというサインを出したらやめて翌日にまた行うこと。毎日数分でびっくりするほど効果が上がる。

☆韻を聞く
例:「この言葉とこの言葉に同じ音があるね-」などと言って韻が出てくる本を読む。

☆韻を区別する
例:3つの言葉を言って、最後の音が同じでないものをあてる。

☆韻をふんでいる文を作ってみる。
例:「今言った言葉と同じ音で終わる言葉を言ってみて」
  「これから言う文が同じ音で終わるように言葉を足してみて」

○音の合成、分解
音に慣れたら、語の中の1つ1つの音を区別できるようになる。まず初めの音、終わりの音、真ん中の音、とすすむ。音を分解できるようになったら決まった音で始まる(終わる)
名詞に移る。

以下は初めの音についての例だが、終わりの音や、やや難しい真ん中の音にも応用できる。

☆音を認識する
同じ音で始まる語を3つ言う。子供にどんな音で始まっているかたずねてみる。

☆音を区別する
同じ音で始まる2つの語と違う音で始まる1語を言う。どれが仲間外れかたずねてみる。言葉を返してくるのが難しい場合は、初めの音を強調する。

☆音をつくる
例:「/f/で始まる言葉を言ってみて」

○音節の合成と分解
子供が1つ1つの音を意識できるようになったら、言葉を音の塊に分けたりくっつけたりすることに移る。

☆音節の合成
音節で区切った語を言って、それがどんな単語になるか答えさせる。

☆二つに区切った単語をくっつける
語を2つに分けて言い、それがどんな単語になるか答えさせる。

☆音素の合成
語を音素に分けて言い、それが全体でどんな単語になるか答えさせる。

※楽しくやるのを忘れずに。時々子供にも問題を出してもらおう。

○文の分解
短い文を言って、単語の数だけ手をたたく。見本を見せるとわかりやすくなる。

☆音節に分ける
音節ごとに手をたたく。

①見本を見せる
②お手本と同じ単語で同じようにやらせる
③こどもだけでやる

☆単語を前後に分ける
単語を前後2つのパートに分ける。
見本を見せて、子供が簡単にできるようになるまでいろいろな語で試す。

☆音素に分ける
単語を音素に分けて言わせ、いくつの音が聞こえたか子供にたずねてみる。

音韻認識を教えるのに参考にするとよい本: all about reading
(翻訳おわり)
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ところで音韻認識の弱い人と言えば、
私の父(75歳、引退した建築家)は音韻認識の弱いディスレクシアだと思います。

私がもの心ついた頃から、私の家族は
「父(ディスレクシア)の珍妙な受け答えに母(アスペ)がキレる」の繰り返しでした。
今は、うちの子に「おじいちゃんって天然だよね~」と言われています。

父の弱い音韻認識は、成長とともに多少は向上したのでしょうが、
25歳くらいをピークにごくゆるやかに低下を続けており、
自分が聞き間違いが異常に多いことを自覚して、いろんな戦略を立てる以外、
これといった解決策はない気がします。
(父はメモ魔、あとiPhoneで毎日何十枚と写真を撮る写真魔です)
上のようなレッスンは、父にはちょっと無理な気が。。
年齢的なものもあると思いますが、
次々と口頭で指示したところで、それを理解する様子が想像できません(汗)

ところで、異邦人として生きることは、
音韻認識の弱さを悟られずに生きる、有効な手段だと思います。
(父は、仕事人生の全部が海外、それも先進国での仕事はほとんどありません。
なので、珍妙な受け答えをしたとしても、
"外国人だからそんなもの"というスタンスでやってこれたのだと思います。)



メモ魔でディスレクシアな父(よく見ると「材」が「村」に(汗))
大人になって「書いて覚える派」になるディスレクシアは、驚くほど多いです

話がずれました。次の訳です。まるはなさん、引き続きありがとうございます!


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ディスレクシアの子へのサイトワードの教え方

原文:こちら→
                       
サイトワードとは、ルールで読めない、見て覚えることが必要な単語
 ディスレクシアの人は正しいやり方で読みを教わるのが良い。
 インターネットで探したが、ディスレクシアの人に効果的な教え方がほとんどなくてショックを受けた。
 以下は多感覚を用いた素晴らしい学習法の例である。 

ディスレクシアの子どもにサイトワードを教える方法
 この記事の後のほうに、私の子どものBen がどうやってサイトワードを覚えるのかをやって見せているビデオがある→Ben はこの方法を見つけるまで何週間やってもサイトワードが1つも覚えられなかった。このやり方を始めてから、彼はサイトワードを簡単に覚えるばかりでなく楽しく学ぶようになった。Dyslexia Training Institute の先生方に感謝。
 
やりかた
① 
サイトワードをフラッシュカードに書く。
子供に単語を読ませる。
わからない単語であれば読み方を教える。

鉛筆やペンのおしりでカードの文字をなぞりながら文字の名前を言う。
鉛筆やペンのおしりでアンダーラインを引きながら単語を読む。
これを2回繰り返す。

指を使ってテーブルに単語を書く。
2でやったのと同じように文字を書きながら文字の名前を言い、
単語の読みを言いながらアンダーラインを引く。
覚えそうになっていたら記憶をもとに書けるように、カードはひっくり返しておく。
これを2回繰り返す。

自分の手で反対側の腕をたたきながら、文字の名前を言う。
腕をなでおろしながら(左利きならなで上げながら)単語を言う。
(訳者注:ビデオを見るとよくわかります→

できるのであれば、ノートにその単語を書く。

単語を見て読むということが5~6回続けてできるようになるまで、練習する。
 

☆ビデオについて
文字を書くときは正しい書き順で書くのが理想的ですが、このビデオの中でBenは時々逆から書いたりしています。私たちは書き順について取り組んではいますが、サイトワード学習の中では書き順を直すことはしていません。

●サイトワード学習開始にあたって


できれば子供たちに勘で読む習慣をつけさせないため、習っていないサイトワードの出てこない教材を使ったほうが良い。

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サイトワードについては、どこで読んだか忘れましたが
フォニックス読みと発音通りの読みの両方を覚える」のは、
ディスレクシアには正しい方法だそうです。
(「ウェドネスダイと書いてウェンズデイ」など)
このことと、上の覚え方を併用すると、日本人学習者にとってはよさそうです。

2016-06-11

もじこ塾特別セミナー「出来るが先、知るは後、B.B.メソッド」

16/06/18 1ヵ所訂正しました。難波先生、ありがとうございます。

BBカードの考案者、難波悦子先生(セルム児童英語研究会)をお迎えして、ディスレクシア英語指導にBBカードをどう取り入れたらよいかを考える、スペシャルなセミナーを行いました!

難波先生、もじこ塾のセミナーにご登場下さり、本当にありがとうございます。
BBカードとその理念をしっかりと学び、ディスレクシア英語指導に生かしていくことが、感謝の気持ちをお伝えすることになると思っています。

今回は、参加者のY. I.さんが、講演録を作って下さいましたー!!
ありがとうございます!!
こちらで取っていたメモから少し補足して、ご紹介します:

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冒頭、もじこさんより以下の紹介がありました。
「本セミナーが開催されるきっかけは、20163月に東京で開催された英語教育UD研究会で、難波先生ともじこがそれぞれプレゼンテーションを行い、難波先生から、「ディスレクシア英語教育は大から小であるべき」がBBカードの理念に一致しているとのご指摘を頂いたこと。今日は、難波先生に、3月のプレゼンと同じ内容をお話していただき、ディスレクシアの子供の英語教育について悩みを抱えている参加者の皆さんと共に、私(もじこ)自身も多くのことを学びたいと考えている。

 本セミナーの準備として、参加者の皆さんが抱えている悩みなどについて難波先生にメールでお伝えし、お返事もいただいている。難波先生のメールには、深い言葉が溢れているので、読みあげる形でご紹介したい。『これまでの日本の語学学習法は、易から難へ、そしてspoon feeding(スプーンで口に入れてあげるような方法)で、やってきた。その結果として、教師が子供たちを見て言うことは、英語が聞き取れない、言えない、読めない、書けない、といったないない尽くし。しかし、これは教師の側から見ただけのこと。教師が教えれば教えようとするほど、子供は学習の緊張から逃れられない。子供を学習の緊張から解放させてやることが重要。』 
また、戦後の英語教育は、Jack and Betty以降、70年間変わっていない。なぜなら、ALTが入っても、オールイングリッシュ形式になっても、"教える"という点は変わっていないから…とも。
ご紹介はここまでにして、難波先生、よろしくお願いします。」

☆  ☆  ☆

難波先生のご講演の趣旨は次のとおり。

1.BBカードメソッドの基本は「教えない」
「教えない」とは、「生徒がすでに持っているものを基に、気づかせる」ということ。
「生徒がすでに持っているもの」とは、英語の知識ではない。わからないことの意味を推察する力とか、羅列されたことばの中から自分なりに規則性を見つける力など、その子がすでに持っている能力のこと。
子供を観察していると、それぞれ強い力が異なる。Visual(視覚能力)が優れた子、Auditory(聴覚能力)が優れた子、Kinesthetic(身体能力)が優れた子など、それぞれ異なる。その子が得意な力を生かしてやることが大切。

2.BBカード誕生のきっかけ、理念
もともと、BBカードが誕生したきっかけは、私(難波)の英語教室にいた、言い方は悪いが、箸にも棒にも引っかからないような子供たちが楽しんでできるようにと考えたこと。
教師が教えようとすればするほど引いてしまい、自分の殻に閉じこもろうとする生徒がいる。このような子に対し、どうするか。

「サ・シ・ミの法則」というのがある。50年前に石神井中学の先生が言ったこと。
学校の1つのクラスのうち、上位3割(「サ」)は、教えなくても自分で規則性を発見して学んでいく子供、
その次の4割は、教えられて何度も練習すれば身についていく子供(「シ」)、
残り3割は教えられて何度も練習しても、残らない子供(「ミ」)となる。

言語学者のクラッシェン(Krashen)が言っているように、ことば(言語)というものは意識的な学習によっては身につかない。特に、EFL環境(英語が外国語である環境)にいる日本の子供たちは、学習によって英語を身につけるのではなく、自然に気が付いたらできていた!となるのが良い。そのためには、現在、学校で教えているような文法事項などの明示的知識をいくら教え込んでも、自分から発話する瞬発力は出てこない
反対に、BBカードで遊んで、はじめからセンテンスを言えるようになっていれば、子供は必死に覚えなくていい。ただ言うだけで良い。「おまじない」も、カードの「センテンス」も、言えるところだけで良い。

3.実際にBBカードで遊んでみる
それでは、実際に、本日の参加者の皆さんに4人一組でチームになって、BBカードで遊んでもらいたい。
まずはダイヤのカード16枚を使った「基本ビンゴ」。
(「shuffle your cards」と声かけし、4×4にカードを並べてもらう。
カードを配り、並べてもらっている間、「おまじない」として、不規則動詞の活用を先生が言い、生徒にリピートさせる。take-took-taken-takingなど。
配り終わったら「おまじない」も終了。「おまじない」の意味は一切解説しない。)

私(難波)がセンテンスを言ったら、まねして、子供の気持ちで、どのカードか考えてほしい。
(先生が"Lucy Locket lost her letter."と字札を読み、生徒役は絵札をあてる)

子供がわからなくても「どれかな?」と言って考えさせる
全部はわからなくても、letter という言葉で推測できて、あてられる子がいる。あたったら「ピンポーン!」「あたり!天才」、外れたら「ブッブー!」、それだけ。「できた/できない」ではなく「あたり/はずれ」だけ。楽しめばよい。
その過程で、「Lucy Locketちゃんは、何をなくしたって?」(「手紙」)「そうだね、letterをなくしたんだね」というような「意味をとるための質問」をすることで、letter という単語を知らない子でも、音と絵を見て、「letter =手紙」というのが、その子の中で結びつく。
自分からピックアップするように持っていく。

 1つのセンテンスの中のすべての語を、最初からわかる必要はない。あいまいさに慣れていってほしい。
「あいまいさ」に耐えられる力をつけていくことが大切。
あいまいな状態でもセンテンスを言えることが、後々、文法を学ぶ時に、帰納法的に納得できることにつながっていく
このあいまいさに慣れさせるため、B.B.カードは、いちばんやさしいダイヤのカードからでも、機能語(前置詞など)を多用したセンテンスや、過去形、未来形、現在完了形などいろいろな時制のセンテンスを入れている。
B.B.カードは全部で64枚あるが、これで英検3級レベル(中学校終了程度)の文法事項をすべてカバーしている。意味がわからなくても、言えるようになればよい。

(ここで会場から質問。「カードの意味を教えてほしいと言われたら?」
難波先生の答え「『わかったら教えて』と言います」)

文法を気付かせるとは:
Ken  keeps me waiting.
Kate keeps me waiting.
Ken and Kate keep me waiting.
と言えば、子供たちは気付く。

Happy Henry has gone to Hawaii.で、
「Happy Henryちゃん、どこ行ったかね?」(「ハワイー」)
「じゃあ、Happy Henry が北海道に行ったら?」
「(Happy Henry has gone to Hokkaido)」

 はじめから、子供がすらすら英語のセンテンスを言えるわけがない。何度も、ビンゴやゲームなどの遊びを通じて、絵と音に触れていき、反復を自然な形で繰り返すことで、潜在意識の中に、絵と音を内在化させることができていく。
そのためには、手間暇をかけていかなければならない。ことばを覚えさせたいなら、手間暇をかけないと無理。

特定のグループが勝てるよう、読む字札を調整することも。これはほめるため。
こういうことのできるゲームなら、できる子とできない子の垣根を作らない。

さらに遊び方の紹介。
・神経衰弱
(例文を聞いて、対応する絵札を表にする。正解した人、つまり対応する絵札を表にすることができた人が、次は例文を読みあげる役になれる)
大人はテキトウな札を選ぶが、子供は自分がビンゴになるような絵が返せる札を読む。このとき、子供は右脳と左脳を使っている。

・ただ言えるだけの例文をもとにした遊び。
(子供が64文をすべて言えるが、意味はわかっていない状態で、
例えば、Gentle Giraffe looks at George.に対し、
先生が、Gentle Giraffe likes to look at George.と言い、生徒も繰り返す)
2~3枚繰り返すと、likes toが入る。何をやっているか分からないまま、言えてしまう。

教えることに熱中すると、「覚えた/覚えていない」で判断してしまう。
だが「言えればいい」なら、いつの間にか覚えてしまう。

子供が言えるようになった時点で、意味を聞く。
「わかって、納得して、覚える」だと、わからないものは覚えられない。

スプーンフィーディングの弊害。通常の反復では、I amばかり反復して、次にYou areばかり反復するという方法をとる。そうではなく全体で入れる、つまり、is/are/wasを同時に入れる。未来形などもこの方法で入る。手間暇はかかるが。

「なんだか分からないができる」は英語嫌いをなくす。

4.BBメソッドの基本三原則
BBメソッドの基本三原則は、
(1)全体から個へ、
(2)基本は遊んで学ぶ(学習ではない)、
(3)いい加減が好い加減(言葉の曖昧性に耐えられる力が生徒自身の「気づき」につながる)、というもの。
これによって、特に小学校段階でBBメソッドを取り入れると、
(1)反復というルーティンワークを子供に悟られずに行える、
(2) 「遊び」という形式をとるため、できる子とできない子の垣根を作らない、間違いを恐れない、
(3)英検3級レベルの64センテンスが身体にしみこんでいることが、中学以降の英語学習のよりどころとなる、
(4)文法については中学校で帰納法によって気づける、
というメリットが生まれる。

5.BBカードの学習段階
BBカードの学習段階は、
1段階が「絵と音の一致」
2段階が「音と意味、音と文字の一致」
(先生の言葉の模倣と反復を繰り返すことにより、いつのまにか記憶に定着する)、
3段階が「置換(substitute)と変換・転換(recast)」
(転換とはlikes toを加えることなど。recastでは訂正を大げさに行わないことが大切。子供の発言をそのまま受け止めてからさりげなく言い換えれば(「takedね、took」)、子供はこっそりと正解を学ぶ。
難波先生から、訂正のご依頼がありました。
たいへん勉強になるので、そのままの形で掲載いたします。
recastでは子どもの間違えた表現を先生が繰り返すことはしません。
ですから、「そうね。」といったん引き受けて、間違えた子に向けてではなく、全員に「took」とリピートを促します。

こうすると、間違えた子は自分の間違えたことに気づきつつ、先生が聞き間違えてくれたことで恥をかかなくて済みます。

しかし、過去には「先生、○○ちゃんは間違ったこと言ってたよ」などと小さな親切(?)を発揮してくれる子もいたりしましたが・・・。そんな時でも「あら、そう?」で済ませます。

「子どもの間違えを先生が繰り返さない」はrecastの鉄則(?)と言ってもいいかもしれません。


4段階が「選択(類推による作文)」。

 第3段階の置換とは、主語や目的語を置き換えることにより作文の練習となる。変換は時制を変えること、転換は基本文をもとに違った意味の文に変えていけること(例:Betty Botter wants to buy some butter. She likes to buy some butter.)である。

 この段階ができたら、第4段階の「選択」が可能となる。
ここでは「BB作文」を行う。(2枚のカードの、主部と述部を合成した文章。Betty Botter has gone to Hawaii、The flying rabbit will get to the forest to buy a cake.など。)そこから文型練習、自由作文、会話など変形練習を含む文法練習が可能となり、自分で発話、作文することができるようになる。

 BBの反復と学校の反復の違い。学校とBBでは、反復の回数は同じだが、BBの方が広範。学校では、I likeならI likeばかり反復し、その後二度とI likeの反復に戻ることはない。

インプットの重要性。BBの後は本読みと、先生とのインタラクションが大事。そしてインタラクションのためには、核になるものが必要。それが64文。
外国語環境になくとも、この核があれば、そこから広がっていける。

小学校でBBカードを導入する利点。
(1)ばらつきのない小学校英語教育が可能(学校外での学習歴に関係なく、みんなで一緒に楽しめる)
(2)英語の専任でなくても使える。CDがあるから。学校の先生もCDを聞いているうちに覚える。
(3)帰国生の子に読み手になってもらうなど、できる子も退屈させない。
(4)英語の素地を作れる。リズム、イントネーション、アクセント、リエゾン。文字。準動詞までの文法。そして作文まで。
BBカードは遊びだから、間違いも許される。間違えたくない環境だと挑戦しなくなる。その姿勢だと英語は苦手になる。いいかげんでOK。それでも、だんだんもやもやがはっきりしてくるもの。

多読vs.訳読。
多読によって本が読めると、英語が好きになり、自力で英語力を高めていける。つまり自己教育力がつく。

BBカードの目標。
難波先生の目指す、BBカードで遊びまくった子供の小学校卒業段階での目標。
最低段階は、64のBBセンテンスを自分で言えて、意味がわかること。
その次の第2段階は、センテンスの変換、転換ができること。
最終目標である第3段階が、センテンスを自分で作れること(自発的な作文と発語ができること)。

6.ビデオ鑑賞:
最後に、実際の子供たちの様子をビデオで見てほしい。(ビデオ鑑賞で、講演は終了。)

☆ ☆ ☆

質疑応答(主なもの)
Q. ディスレクシアや学習障害のある子でも、BBカードを通じてセンテンスを言えるようになったとしても、どこかの段階で、言えるようになったセンテンスを「読む」という段階が必要になると思うが、どのようにしたら読めるようになるのだろうか。(もじこ)

A. 自分(難波)は、これまで、ディスレクシアのお子さんを指導した経験はないので、ある北海道の先生の手記(LDやディスレクシアのお子さんの指導に関するもの)を参考として配布した。
ただ、BBカードに遊びを通じてセンテンスを諳んじられるようになった子どもでも、字カードを見て、すぐに読めるわけではない。最初は絵カードと字カードの番号でどの文が分かり、語を図形的に捉えて、全体語形的に読んでいる。ただ、それを繰り返していくことで、子供自身が「読める!」という自信をつけていく(途中で番号をシールで隠すことも)。


Q. 文字学習を始めるタイミングは、いつになるのか?

A. BBメソッドでは、最初にアルファベットは教えない。ただ、例えば1時間のレッスン全部がBBカードというわけではなく、最初は英語の歌を歌ったり、Simon Saysのゲームなどをやったり、英語の音やリズムに慣れる時間はとる。その中で、自然にABCソングなどを覚えていく。BBカードの64センテンスを完全でなくても覚えて、言えていたら、フォニックス的な遊びをやって、音と字の一致を図っていく。たとえば、Betty Botterのセンテンスに”b”の音がいくつ入っているかな?と聞くゲーム等を行う。


Q. BBメソッドでは、フォニックスをやるタイミングがかなり遅い、というかアンチ・フォニックス的な立場だなと感じたが、どの段階でフォニックス的な指導をするのか?(もじこ)

A. 実は、フォニックスはいつから、どこから、入れてもよい。フォニックスの規則性を教えたとして、自発的な発語につながるわけではない。ことばは規則ではないから。まず、音を入れておいて、音の認識ができなければ、ダイヤのカードのセンテンスの韻を踏んでいることの規則性に気づくことはできない。
Betty Botter bought some butterに対し、How many B sounds are there?(いくつBの音が入っている?)と聞くが、正解するには年月を省いてはならない。せっかちはいけない。

BBカードを説明するにあたり使っている枕詞がある。それは「だまされたと思ってやってみて下さい」(会場笑い)。
覚えられる子はすぐに覚える。座っていられない子、飽きっぽい子は、ただ教室にいればいい。そこにいれば、そのうち覚えるから。


Q. 難波先生の著書(下記、参考文献1.)によると、10週間で64全てのセンテンスを入れる必要があると書いてあるが、実際に、レッスンで使っていると、とてもそのスピードで入れることは難しいと感じるが、どうすればよいか。

A. 最初の10週間で、64のセンテンスを完璧に覚える必要はない。あくまで、64のセンテンスに「触れさせる」のが大切ということ。
64のセンテンスに、英検3級レベルまでの基本文のエッセンスが詰まっているので、早い時期に触れておくことで、英文のあいまいさに耐えうる力をつけさせることが可能となる。
BBカードは、ダイヤは頭韻で、ハート、クローバー、スペードと、だんだん言いにくくなっていく。だが、これが易→難の順だと考えるのは思い込み。4種類、すべて同じように扱ってよい。
順々に扱っていく途中で教室に新しく入会する子もいる。それもかまわない。たいていの子は、自分が入会したときに扱っていた種類(ハートなど)が一番好きになる。


Q. BBカードは、ビデオに出てきた通り、下は3歳から可能だと分かったが、上は何歳くらいまでを想定しているか?

A. BBカードを製作したときは、小5の子を念頭に置いていたが、広まるにつれ、だまされた人(笑)の中には、下は3歳くらいから使う人も出てきた。この年齢の場合は、字カードの使用は想定していない。また、BBカード以外の読み聞かせや歌などもたくさん行う。字は学童期から。


Q. 中1ショック対策として、BBカードをどう使えるか、何か提案はあるか。

A. BBカードの使い方は、年齢を問わず同じ。まずオトを聞かせ、言えるようにすること。
授業を捨てる覚悟が必要かもしれない。

もじこ:学校のテストでは習熟度がはかられるわけだが、ディスレクシアだと、どうしてもそのペースに合わない。だが、目の前のテストができるようになりたいのか、それとも英語の運用力を身に付けたいのか。BBカードは後者を可能にしてくれるのだから、学校のテストは割り切る覚悟が必要、なのかもしれない。

(参考文献)
1.難波悦子『続・カードで遊んで英語大好き!―「B.B.カード」活動集』(東京図書出版会、2007年)
2.和泉伸一『「「フォーカス・オン・フォーム」を取り入れた新しい英語教育』(大修館書店、2009年)

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難波先生、ありがとうございました!!

出席者の感想より:

◆先生のやることは「教えない!」そのかわりに「考えるきっかけを仕込む」ということがとても勉強になりました。

「つみあげない」「教えない」にまず衝撃を覚えました(汗)。英語は勿論、他の教科も基礎からやって、コツコツと覚えてきましたから…
他の教科はともかく、英語に関しては、結局聞くのも話すのもできないし、従来の英語学習ではまず親である私が挫折感を抱いています。挫折感の理由も、今回腑に落ちました。「英語のあいまいさを許容する」は自分はとても苦手だし、「間違えたらはずかしい」もとても根強くあります。英語が苦手な理由はその辺りなんだとわかり、ディスレクシア要素のある子供には、BBカードで、覚えない英語のスタートをさせてあげたいと思いました。

◆ディスレクシアかも?な生徒さんが何人かいて、悩んで参加させて頂きました。教えずに"あいまいさ"を残したままゲームをするというのは目からウロコでした。
BBカードは、正直ハードルが高いかな…どうかなと迷い中ですが、今日のセミナーはたくさんのヒントを頂け、とても勉強になりました。ありがとうございました。

◆マニュアルありきのレッスンを、渋々ながら受け入れて指導する身には、素晴らしく目新しく新鮮な内容でした。"だまされて"みようかしらと思いました。

教えないで遊びのなかで、身につけさせる。全体を覚え、部分にうつる。定型の子たちにも、もちろん大切なことだと思いますが、ディスレクシアの子たちにも非常に助けになるメソッドだと思いました。
ただ、やはりディスレクシアの子にとって、一番の難関は、正確に読んで書くこと。この部分は、BBカードのその先で、これから考えていかないといけないのかなと思いました。とりあえず導入としては非常に有効だと思いますし、定型、ディスレクシア関係なく、みんなで楽しんで遊べるところが、すばらしいですね。

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もじこの感想

「ディスレクシア英語指導は"スモールステップ"が鉄則と言われるが、BBカードはその真逆のアプローチ。この2つにどう折り合いをつけるのか」という質問を事前に頂いており、私もずっとそのことを考えながら拝聴しておりました。

語学学習は、全体像・・・その言語の音が響いている様子を目の当たりにして、その言語の音楽(と私は呼びますが、リズムやイントネーションを含めたリアルな会話の世界)に少しでもひたることがすごく重要で、スモールステップはその後に行うべきものだと、今は考えています。
ジョリーフォニックスにしても、道村式漢字カードにしても、言葉の音楽に触れていることが前提で(前者は英語、後者は日本語)、それなしでいきなり取り組むと、ディスレクシア的にはいくらスモールステップでも、苦しいものになるようです。
そういう意味で、BBカードは、"言葉の音楽"を教室に作り出すことができるという点で、画期的な教材だと感じました。

難波先生の生徒への声かけ自体は、とても、とてもスモールステップです。
正解を全部与えず、本当にちょっとした訂正だけで、そこから生徒自身に考えさせます。この声かけの仕方は私も、もじこ塾春期講習や予備校の授業ですでに取り入れており、生徒がすごく主体的になると感じています。

一方、やはりディスレクシア的には、ある種のことをスモールステップで"教える"ことは不可欠だろうとも、今回の講演を聴きながら思いました。ディスレクシアは「サ・シ・ミ」の「ミ」のさらにどん底の子たち、中学3年間英語の授業を受けても、theが読めないこともある子たちです(実際にいました)。こういう子には、ある部分は"気付かせる"のではなく"教える"ことが不可欠で、この部分にいつまでたっても自力では気付けないことが、学習障害と呼ばれるゆえんかも、、と思いました。

数人のディスレクシアの中学生を教えた経験では、「今から私が教えることが分かれば、こういうことができるようになるよ」と見通しを示せば、ディスレクシアなら理詰めでの文法説明も、なかなか覚えられないフォニックスも、"教える"ことに頑張ってついてきますし、むしろ教わることを望んでいるように思います。
・・・と質疑応答で申したところ、「もじこ先生は努力できない子を見たことがないのでしょう」と難波先生からご指摘を頂きました。
これは深い!!以来、ず~っと考えています。で、今思うことは・・・
「はい、私がこれまで出会ってきたディスレクシアの生徒は全員、努力できる子たちです」
ディスレクシアの子は、誤解を恐れずに言えば、原則として努力家だと思います。小学校入学と同時に「なんでみんなそんなに読めるの?」と密かに焦ったり、「書き取りの宿題が終わるまで居残り」といった仕打ちを受けたりしていれば、自然とそうなるでしょう(ノД`)。天然や多動のせいで努力家に見えないケース(笑)もあり、また努力の到達点は知能によって異なるでしょうが、少なくとも純粋なディスレクシアは努力する人種だと私は思っています。
ごく少数、10代前半で、勉強する姿勢(→文字通りの)ができていない子はいましたが、それは体幹が整えばずいぶん変わると思います(しかしこれは、非ディスレクシアにも言えることかもしれません)。