ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

2014-03-06

ディスレクシアをめぐる10の迷信

ごぶさたしてしまいました!
この1ヵ月は多くの勉強会に潜入しました。ターニングポイントとなる、いくつかの出会いもありました。
なのに、アベノミクスのせいか東京五輪のせいなのか、人類の限界に挑戦というレベルの翻訳量でして(ただし翻訳料ではない)、勉強してきたことをまとめる機会がないまま月日が流れてしまいました。。。
このレベルまで来ると、子のこともほったらかしで、するとやつはどんどんDSにはまり、誤字が増え(苦笑)まずいです。

ようやく仕事が一段落ついたので、この1ヵ月間に聞いた印象的な指摘を、「10の迷信」という形にしてみました。
以下も参考にしています:
http://dyslexia.yale.edu/Myths.html
http://www.prometheantrust.org/dyslexiamyths.htm


×迷信1「ディスレクシアは見え方の問題である」

「ディスレクシアは音⇔文字の結びつきが遅い」というのが最近の見解のようです。
視覚の問題だけでなく、音の問題(耳ではなく、音を脳のなかでどう処理しているか)も大きそうです。

・眼球運動がうまくできないために読みがつらい場合があるようですが、
眼球運動を改善することで読みが改善されるケースは、ディスレクシアとは言わないとのこと。

・ディスレクシアの表れ方は多彩です。
文字が飛び出て見える人、踊って見えるという人もいれば、普通に見えると言う(自己申告ですが)人もいます。

・幼い頃は(ディスレクシア、非ディスレクシアを問わず)語彙力、特に抽象語の語彙力が読解力を左右する。
このため、ディスレクシアであっても特に抽象語の語彙力をカバーすればキャッチアップできる
だが、小6を過ぎると、非語の理解・反復能力が読解力を左右する要素になってくる。
言い換えれば、音韻処理能力(脳の中で、未知の文字を音にすること)が重要になってくる。
ディスレクシアの子はこれが難しいので、特にサポートが必要。

個人的には、ディスレクシア的な「音」の認識が、最近の大きなテーマです。


×迷信2:「ディスレクシアは必ず悪筆だ」

ディスレクシアは「誤字が多い」and/or「字がめちゃくちゃ汚い」という形で表れることが多いですが、
「字は正確だし汚くないが、書くのがめちゃくちゃ遅い」という形でも表れます。

ディスレクシアの3タイプ:
・読み書きは速いが、間違いだらけ
・読み書きは正確だが、非常に遅い→→このタイプは特に見落とされがち
・その中間

日本語の場合、鉛筆は苦手だが筆なら得意というディスレクシアがいます。
こういうタイプの場合、毛筆の字は美麗というケースもあります。
(しかし、読むのが非常~に遅い)
こうなってくると、本当に見抜きづらいです。


×迷信3「女のディスレクシアはいない」

ディスレクシアは男女差はそれほどないというのが定説のようです。
男子のほうが多く見えるのは、男子のほうが”問題行動”が多い(女の子はおとなしい)からなのでしょう。

女の子は「正確だが非常に遅い」パターンが多いので、余計にディスレクシアだと気づかれにくいのが現状です。


×迷信4「ディスレクシアで学業優秀ということはあり得ない」

ディスレクシア=学力不振かというと、一概にそうともいえません。
有名大学・大学院修了、高度専門職など、いわゆる「学業優秀」でないと不可能な職についているディスレクシアの人はけっこういます。
隠れディスレクシア


IQが高い、努力家、モチベーションが高い、周囲から適切なサポートを受けられた・・・といった条件がそろっていることが多いようです。

周囲への適切なサポート。これについては「語彙が豊富な家庭環境だと、ディスレクシアの子はその後成功する可能性が高まる」とのことです。



×迷信5:「ディスレクシアはIQ(知能)が低い」
ディスレクシアとIQは関係ありません。
非ディスレクシアにもIQの高い人と低い人があるように、ディスレクシアにもIQが高い人と低い人がいる。それ以上でも以下でもありません。
ディスレクシアはIQとは無関係


×迷信6:「逆に、ディスレクシアなら非常に賢い」
5に同じ。ディスレクシアであっても、大半の人は普通の市民です。
身の回りにいるちょっと変わった面白い人として、普通に生息してます。

ディスレクシアの有名人もよく話題になります。
たいへん心励まされることですが、だからといってディスレクシアが全員有名人になるわけでもありません。あしからず・・・


×迷信7:「ディスレクシアだと全く読めない/書けない」
「読字障害」と言うと、まったく読み書きできない人を想像してしまいますが、実際にはディスレクシアの人は、まったくケアを受けていない場合でも、傍からみると下手なりに読み書きできる場合がほとんどだと思います。
「字が苦手」「字の間違いが多い」と言うほうが実態に近いです。


×迷信8:「ディスレクシアだと、一生読める/書けるようにならない」
・ディスレクシアでも、適切な訓練を受ければ、読み書きできるようになります!!
ただし、普通の子の何倍かの努力が必要です。
(その方法が当ブログの1大テーマなわけですが・・・。)

・ディスレクシアの人は、持ち前の創意工夫により、書かれていることの内容を理解するための戦略を独自に身に着けていくようです。


×迷信9:「小学校に入らないとディスレクシアだと分からない」
日本ではディスレクシアの存在も知られていないですし、対策も手探りのなか、気の早い話ですが。。
欧米では、脳を調べればディスレクシアの有無は就学前に分かる、とか、
親やきょうだいにディスレクシアがいる場合は、ディスレクシアかもと考えることができる、とされています。

就学前に「?」と思ったので医師に相談するも、「しばらく様子を見ましょう」と言われたので放置。
これは本当に残念なことです。
早くからディスレクシア対策をとればとるほど、あとあとの苦労も小さくて済みます。


×迷信10:「ディスレクシアは必ず不器用である」
ディスレクシアは、言語の他の側面、運動能力、暗算能力、集中力、整理整頓が苦手、という困難も併発するが、これらはディスレクシアの裏付けではない、とのことです。


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