ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

2014-01-11

どんな学校にもディスレクシアの子はいる


「この学校にはディスレクシアの子はいないので、
対応の仕方が分からないんですよね…
もしはっきりディスレクシアだと分かっているなら、専用の学校に行ったほうがいいかも」。

善意でこう言われたら、どう返すべきなのでしょう?


>この学校にはディスレクシアの子はいない

どんな学校にもディスレクシアの子はいます!
気づかれていなかったり、または本人も気づいていなかったり、
怠け者扱いされていたり、または本人が自分を怠け者と思っていたり、
カバーする方法を本人が身につけたので表面化していないだけです。

予備校で見る限り、ディスレクシアの子はあらゆる高校にいます。
いわゆる御三家・新御三家にすらいます(大変な努力の賜物です)
小中高一貫にも、国立大附属にも、都立高の進学指導重点校にもいます。
中堅校にもいます。
おそらくは底辺校にも実技系の高校にもいます。

なお、文科省の調査では6.5%がディスレクシアだと言われています。
欧米では、10人に1人がディスレクシアだと言われています。


>対応の仕方が分からない

→これは2014年現在、ディスレクシアに熱心な教師でも、手探り状態です。
ディスレクシアに適した教え方は、まだ体系化されていないのが現状です。

でも、そこで教える側が「できません」と言うのは待ってと思うのです。

私の今年度の授業経験から言えるのは、
1)生徒によって分かりやすい教わり方は違う
2)どんな生徒も分かりたがっている
3)「キミは必ずここまで来れる」というポジティブな伴走者になる
・・・この3点を念頭におくと、授業は確実に変わる、ということです。

本気を出していないように見える、
ノートがきたない、
一斉授業では伝わらない、
読んだり解いたりするのが異常に遅い、
授業では分かっているような反応をするが、テストでは出来ない……
こういう生徒は、生徒が悪いのではなくて、教え方が悪いと心得るべきです。

ディスレクシアに適した教え方がすぐには分からなくても、
1)2)3)を念頭に置くだけで、生徒がまったく違って見えてきます。
こちらがポジティブに働きかけると、生徒もポジティブに反応してきます。
そこからいろんなことが変わり始めます。


>専用の学校に行ったほうがいい

→残念ながら、日本にはディスレクシア専用の学校はありません。。

でも本当の所、字の苦手さの部分でちょこっと下駄をはかせてもらえれば、
それだけでも本人としてはかなりありがたいのです。

それに、ディスレクシアの子は必ずやクラスに活気を与えてくれるでしょう。
独創的な意見を言うので、クラス討論ではなくてはならない存在です。


・・・ということを、「ディスレクシアの子はこの学校にはいません」と信じている人にそのまま伝えることは難しいですよね。
そもそも「読字障害」という言葉が誤解を招きますね。
はぁ。

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