ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

2013-01-11

ディスレクシアには色々なタイプがある


Neurological Differences Support Dyslexia Subtypes

の翻訳です。

・ディスレクシアには下位区分がある(いろいろなタイプがある)

・ディスレクシアは右脳に違いがある

・ディスレクシアのタイプによって、右脳のどの部分に違いがあるかも異なる


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ディスレクシアの下位区分に
脳神経学的差異が対応している

2009626日:ディスレクシアは通常の読み能力を持つ人と比べ、右脳のいくつかの部位が異なることが明らかになった。MRIで両者を比べた結果、複数の神経学的な相違を発見。このそれぞれを、ディスレクシアが抱えるいくつかの言葉の困難に結びつけることができた。


エジンバラ大学のCyril Pernet氏の研究グループは、38人のディスレクシアの脳と普通脳のモデル(通常の読み能力を持つ39人のスキャンを合成したもの)を比べた。
38人すべてにおいて、右のcerebellar decliveまたは右のレンズ核のいずれかに相違がみられた。
この相違を、言語テストのさまざまな成績に関連づけることができた。

最近、ディスレクシアが単一のものではなく、複数の異なる神経認知的病理を反映している可能性があることが認められつつある。
研究者はここ数年、ディスレクシアの種類を区別する方法を探っている。
本研究は、脳構造とディスレクシアの症状の重篤度の間の直接的関連性を示す初の研究のひとつである。

「これらの結果は、ディスレクシアにはさまざまな下位区分があること、ディスレクシアの下位区分は脳の表現型の相違によって特徴づけられることの証拠となる。
また行動分析の結果、言語を基盤とするさまざまな処理(「文字と音を対応させる」「脳内辞書に迅速にアクセスする」など)の自動化の欠陥に、こうした脳の表現型の違いが関係していることが示唆される。」


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ディスレクシアの現れ方は人によってたしかに違います。

例えば、ご本人もディスレクシアで、教師として実践活動もしている神山忠先生。
この方の講演「ディスレクシアについて」はこちら

「ディスレクシアの人にとって文字はこう見える」というのを非ディスレクシアにも実感させてくれて、
身につまされましたが、
子にこれを見せて「あんたも字がゆがんで見えるの?」と聞いても
「おれはこんな風には見えないよ~」と言っています。
青や黄色の透明シートをかけてあげても「特に読みやすさは変わらない」と言います。

家庭教師君も「自分は読む分には問題ない」と言います。
傍から見ると抜けが多そうなのですが、、

私が知る他のディスレクシアの高校生を思い浮かべても、
・読むのが強烈に遅い(たぶん試験時間内に終わらないくらい遅い)が、書く答案は完璧
・読むのはむしろ速いほうだが、大意把握型で細部まで行き届いていない
・内容は把握できるが、訳抜けが多い
・訳抜けが多いが、話の核心をつかんでいる
・行を飛ばしたことに気づかない(ので内容が理解できない)
・鉛筆で行を追いながら読む(読み終わった後の問題文は線だらけ)
・スペルミスが多い、and/or、漢字のミスが多い
・bとdがひっくり返る
・・・など、いろいろな現れ方があります。

難関大を目指すレベルになると、大学受験までに自分なりの「戦略」を作り上げている(または作り上げつつある)場合が多いです。

では、小学生には、あるいは難関大を目指さないレベルの子には、どのような援助ができるのか?



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